2017.08.06 09:20|映画


2016年 カナダ


赤毛のアンは原作を含め数多く観てきたけれど、これほど涙腺がゆるみっぱなしだったのは初めて!主人公のアンは孤児院育ち、また養い親となるマリラやマシュウもそれなりに家族を求めていたと強調され過ぎていなかっただろうか。原作と多少異なる感があったのは私の記憶違い?

私にとって、長年、アンの想像力の豊かさや天衣無縫の少女らしさを通して、私自身も成長していく見方をして来たからショックだった。思えば、アンを知ったのは十代の頃で、今やもうマリラに近い年齢なのだ。

観客は私と同様、赤毛のアンに洗礼を受け文学少女の過去を持つ女子たちでした。

アンが胸ときめかす『輝く湖水』などの風景描写にももの足りなさが残りました。



2017.08.02 15:57|


明治39年春。昔は控え選手、今は小さな業界紙の編集長を務める銀平は突如、母校・一高野球部コーチにと請われた。中年にして野球熱が再燃し、周囲の嘲笑をよそに草野球ティームへ入団。そこへ降ってきた大新聞の野球害毒論運動に銀平は作家の押川らと共に憤然と立ち上がる。明治野球の熱狂と人生の喜びを軽やかに綴る痛快小説


ド真ん中の野球小説!

読み終えた後に知ったのだが、主人公の銀平のみが架空の人物で、それ以外の登場人物は大方が実在した人たちらしい。スポーツに疎かった私には、寧ろ逆で、万年補欠選手だった銀平(彼とて並みの人物ではない)の方が近しい。彼の家族で親父さん、妻、子供、妹、妹の亭主、長屋の住人たちとの日々に暮らしで交わされる会話に耳を傾けた。


中でも、主人公の銀平の幼友達で葬儀屋を営んでいる良吉の言葉がずしんと心に響きました。

「せっかく今生で巡り会った身体の力をうまく引き出して、心に添わせてやることなんだよ。俺はね、『幸せな最期』っていうのは、自分の身体をちゃんと使い切って死んだ人に言うもんだと思っているよ。金持ちとか出世とかそういう一通り一遍のことじゃなくてさ」

銀平の親父さんが銀平をたしなめた言葉

「人は求めに応じて働くのが本当だ。てめぇのように何がやりてぇかにほざいているうちは世間の立派な一員にゃあなれねぇのよ。相応の人物には必ず他所から役割が与えられる。与えられたらその役割を四の五のと言わずにまずこなせ。そこで使い物になってはじめて、己の道ってもんが開けて来るんだ」

銀平がコーチしているピッチャー川西君

「本当に才のない人間は、自分に才がない事すら気づけない。せやから正当な結果によって駄目をだされても、本人は分からないから不当な扱いを受けたと思い込む。挙句、自分はもっと評価されていいはずや、認められないのはおかしい、世の中不公平やと不平不満を募らせる。すべては自分が元凶なんだけど、自分も世間も見えとらんから始末に悪い」

若い頃に、上のような言葉を聞いたら素直に認められなかっただろう。

でも年を重ねて受けとめられるようになってきた。

「金にもならないのに、それほどの時間と人生をどうして費やするのか」の問いに

銀平や実在の押川春浪など、野球人でなくとも分かる気もするが、突っ走る勇気は私にはない・・・。



2017.07.29 16:20|映画


1942年/アメリカ 

監督:ウィ リアム・ワイラー

ラストが牧師さんの説教はともかく空爆で壊れた教会の天井に飛行部隊をとらえた映像に、「えっ、これは戦意高揚映画だったのか」と少々落胆。でも、結末が戦意高揚作品だからとすべてにダメ出しをしてはいけないと思いました。イギリスの片田舎に残る階級社会をもまじえて描いてあるので、単なる戦争高揚物に陥っていません。

戦争前夜の田舎町に住むミニヴァー家。中流家庭とは云うけれど裕福な生活ぶりをにおわすところから始まります。でも、彼らは町の人らからは慕われていましたね。

主人公でもありタイトルにもなっている『ミニヴァー夫人』。この題名が上手く使われているのに舌を巻きます。薔薇の名前に用いられていますが、『ミニヴァー夫人』は息子の妻になるキャロル(テレサ・ライト)にも該当していて、薔薇展覧会に繋がっていく展開は巧くできていました。

キャロルは素敵な娘さんで好感を抱きました。



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2017.07.20 09:48|映画

ブルックリン


2015年 アイルランド・イギリス・カナダ合作



1950年代のアイルランド。小さな食料品店で働いているエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、偏見だらけで口うるさい店主に反感を覚えているが、他に働き口はない。しかし優しい姉がアメリカで働くチャンスを与えてくれる。ニューヨークに着いたエイリシュは、アイルランド移民が多く住むブルックリンで暮らすことに。昼は高級デパートで売り子として働き、夜はブルックリン大学の会計士コースで学ぶ日々。ある日、ダンスパーティーでイタリア移民の青年トニーと出会い、次第に充実した日々を送るようになるが家族の悲報が届き、故郷に帰るエイリシュ。アイルランドに帰郷した彼女を待ち受けていたのは、ジムとの運命的な再会、そしてもう一つの幸せな人生だった・・・



主演のシアーシャ・ローナンは「グランド・ブタペスト・ホテル」で気になっていた女優さん。何と「つぐない」でブライオニー役も演じていたとは・・・。全く気付かなかった。

たくましく生きていく女性は好きですが、恋人と夫を天秤にかけたようなエイリシュの生き様にはついて行けなかったあらゆる場面で彼女の心情が理解できませんでしたトニーやジムを愛していたのだろうか?


(今年の春に観ていました。気になる映画だったので備忘録として残すことにします。またいつか再見するかもしれません)





2017.07.15 11:59|映画


2016/アメリカ 
監督・製作:クリント・イーストウッド 主演 トムハンクス

2009年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでコントロールを失う。機長のチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー(トム・ハンクス)は必死に機体を制御し、ハドソン川に着水させることに成功。その後も浸水する機体から乗客の誘導を指揮し、全員が事故から生還する。サリー機長は一躍、国民的英雄として称賛されるが、その判断が正しかったのか、国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われる。


事故当時、機長が奇跡の生還を成し遂げヒーロー扱いで褒めそやされていた記事はまだ記憶に新しい本作が公開された昨年も、テレビや新聞などで盛んに話題になった。売り込みフレーズは『実話をベースにした』だった。それをまともに受け、真実は違っていたのだと長く勘違いしていました。白髪で穏やかな表情のパイロットのトムハンクスは、本当に彼なのと疑いたくなるぐらいの化けぶり。物静かでヒーローとは思えない行動や言動が映し出されると、もしかすると裏に何かが隠されているのではないかと勘繰りたくなる。公聴会などが開かれるシーンにやはりそうだったのだと騙され、後味の悪い結末が待っているのだろうと考えた。やはり彼は誤ったヒーロだったのか・・・。

原題は彼の名前から『サリー』。

本作は後に機長・サレンバーガー(サリー)が著した原作を基にして描かれたフィクションだったと解り胸をなで下ろしました。

サリーを演じるトムハンクスは苦手な男優さんだったが、「ブリッジ・オブ・スパイ」以来好きになっている。



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