2017.11.22 14:30|


明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作


この著者を読み終えられてほっとしました。門井さんは、描いていあるテーマが好きで幾度か手にした作家さん。でも、途中がもたもたしていたり、語彙を豊富に用いられているのに反発を覚え、苦手とする作家さんとなっていました。

本作は宮沢賢治の父・政次郎の視点で息子としての賢治が語られていて、自分の子育てを振り返りながら、親の視点で宮沢賢治を知れたのが貴重でした。言うなれば、賢治は25歳頃までは親がかりの生活で今でいうニートかも? 生活費を親に委ね長い自分探しの期間。政次郎も超あまあまの父の一面を見せ、賢治の金の無心に応え、時には先回りして仕送りしていたことも。息子を理解しようとする気概は、当時の家父長制度の時代から考えると尋常ではありません。まるで現代の父親像を見ているよう。

文壇に燦然と君臨している賢治が却って身近に感じられました。

賢治が農学校の教諭となった時に、政次郎が感じたこと。

 『さすがにめがしらが熱くなった。仕事があるということの最大の利点は、月給ではなく、生き甲斐の獲得でもなく、仕事以外の誘惑に人生を費消せずに済むというこの一事にほかならないのである』

何とも親の心情がしみじみと表れているではありませんか。賢治にとり、仕事以外の誘惑は是非ないことで創作で結実するわけですが。

「永決の朝」で知られている妹トシは、実は23歳位の年齢でなくなっていてたのですね。小学生の教科書に載ってたため、トシは年端もいかない妹を想像していました。

弟・清六が著している『 兄のトランク』も読もう!

是非薦めたい1冊です。

2017.11.15 11:24|日常


最近は落葉のコンチェルトを口ずさみながら山を歩いています。



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2017.11.11 16:13|本と映画

春や春


俳句の価値を主張して国語教師と対立した茜は、友人の東子に顛末を話すうち、その悔しさを晴らすため、俳句甲子園出場を目指すことにした。ふたりのもとには、鋭い音感の持ち主の理香や、論理的な弁舌に長けた夏樹らの個性的な生徒が集う。少女たちのひたむきな情熱と、十七音で多彩な表現を創り出す俳句の魅力が満載な作品でした。

短歌をかじり俳句にも興味があるので面白く読めました。

更に嬉しかったことに、好きな荻上直子監督さんが俳句甲子園を舞台にして撮っていた。
『恋は五・七・五!』(こいはご・しち・ご)は、2005年3月25日に公開されてたらしい。

いつか機会があれば観たい!


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森谷明子さんは初めて読んだ作家さんですが、図書館司書を経て王朝ミステリーという分野で活躍なさっているんですね


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さて2作目の『白の祝宴』。本作は『紫式部日記』を基にした話で、彰子中宮・出産の時を待つ女房たちが白装束に着替えただけでなく部屋も白一色にするなどの描写がミステリアスです。すでに定子皇后との間に一の宮が居て、我が子・彰子に男子誕生を待ち政権に乗り出そうとする道長などの思いがめぐらされています。

「源氏物語は」原作を読みましたが、どうしても紫式部が好きになれずに途中で止めています。でも、ここまで源氏が語り継がれているにはそれなりのものがあるからでしょう・・・。人物相関図が欲しいと簡単に分かる本を探していたら、イラストレーターの小迎由美子さんの「紫式部日記」に当たりました。(監修は赤間恵都子さん


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『源氏物語』の作者・紫式部の日記を、マンガ化。将来が不安、人目を気にしてしまうなど、現代女性でも共感できる、式部(シキブ)が悩む人間関係や仕事、嫉妬などを綴りながら、『源氏物語』という生きがいを見つけていく過程が非常にわかり易く楽しく書かれていました。高校時代にこんな本が出版されていたらもっともっと愉しく古典を読めたはず。

登場する人々の抱えるものは現代人と変わらない。千年以上も前の人たちも今と変わらない喜怒哀楽を感じさせます



2017.10.27 11:33|映画


これねぇ~あまりにも端折り過ぎじゃないかな?

司馬遼太郎の原作を取り寄せましたが未だ手をつけていません・・・。


観たのが1ケ月前にもなってしまい、その後『猿の惑星 聖戦記』を鑑賞しているので、感想が遠のいてしまったよ(笑)    

2017.09.07 11:35|

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平成2年。全国紙の採用試験にすべて落ち、北海道の名門紙・北海タイムスに入社した野々村巡洋。縁もゆかりもない土地、地味な仕事、同業他社の6分の1の給料に4倍の就労時間という衝撃の労働環境に打ちのめされるが…会社存続の危機に、ヤル気ゼロだった野々村が立ち上がる!休刊した実在の新聞社を舞台に、新入社員の成長を描く熱血仕事小説。


主人公の野々村に仕事を伝授した先輩・権藤は、道内でも新聞界のエキスパートとして知られているのに、長く北海タイムスを去ることができない。その心情が分からないわけでもないが・・・。腑に落ちない私が冷たいのかと思いながら読み進んでいた。その権藤にアドバイスを与える上司が現れてほっとする。

「権藤は書いても整理しても(編集)あれだけの才能だ。俺は全国紙に行くべきじゃないのかって思うんだよ。別の業界へ行くのがみんなへの筋だって?そうだろうか。新聞業界全体を考えたら大きな損失だ。新聞は誰のものだ? 権藤のものか? 違うだろう。読者のものだろう。社会のものだろう。木鐸ってなんなんだ。誰を見て仕事してんだよ。読者より自分の筋の方が大切なのか。松田だってそうさ。筋だ筋だってそんなことばっかり言って。あいつが整理に来てから社会部と運動部から何度も誘いが来てる。だけどあいつは『秋葉さんより先に俺が外に出るわけにはいきません』って全部断ってる」

「あいつら人生これから先ずっとうまくいかないだろうな。馬鹿な部下ばっかりだ。でもな、俺はああいった馬鹿な奴らが嫌いになれないんだよ」


気になって実態を検索していたらある地方紙の廃刊に思うに突き当たった。なるほどそういう事だったのか!



同著による”シャトゥーン ーヒグマの森ー”もつい読んでしまった|д゚)チラッ。

怖いの一言で、山好きな私にとってはただただ九州で熊が絶滅してもらってありがたかった。自然を守ろうなんて何ておこがましい!

増田俊成さんの『木村政彦はなぜ力動山を殺さなかったのか』で大宅壮一ノンフィクション章と新潮ドキュメント賞をダブル受賞していて興味があったのだが、これ以上の男臭さについていけそうにないので止めました。


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