2017.08.06 09:20|映画


2016年 カナダ


赤毛のアンは原作を含め数多く観てきたけれど、これほど涙腺がゆるみっぱなしだったのは初めて!主人公のアンは孤児院育ち、また養い親となるマリラやマシュウもそれなりに家族を求めていたと強調され過ぎていなかっただろうか。原作と多少異なる感があったのは私の記憶違い?

私にとって、長年、アンの想像力の豊かさや天衣無縫の少女らしさを通して、私自身も成長していく見方をして来たからショックだった。思えば、アンを知ったのは十代の頃で、今やもうマリラに近い年齢なのだ。

観客は私と同様、赤毛のアンに洗礼を受け文学少女の過去を持つ女子たちでした。

アンが胸ときめかす『輝く湖水』などの風景描写にももの足りなさが残りました。



2017.07.29 16:20|映画


1942年/アメリカ 

監督:ウィ リアム・ワイラー

ラストが牧師さんの説教はともかく空爆で壊れた教会の天井に飛行部隊をとらえた映像に、「えっ、これは戦意高揚映画だったのか」と少々落胆。でも、結末が戦意高揚作品だからとすべてにダメ出しをしてはいけないと思いました。イギリスの片田舎に残る階級社会をもまじえて描いてあるので、単なる戦争高揚物に陥っていません。

戦争前夜の田舎町に住むミニヴァー家。中流家庭とは云うけれど裕福な生活ぶりをにおわすところから始まります。でも、彼らは町の人らからは慕われていましたね。

主人公でもありタイトルにもなっている『ミニヴァー夫人』。この題名が上手く使われているのに舌を巻きます。薔薇の名前に用いられていますが、『ミニヴァー夫人』は息子の妻になるキャロル(テレサ・ライト)にも該当していて、薔薇展覧会に繋がっていく展開は巧くできていました。

キャロルは素敵な娘さんで好感を抱きました。



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2017.07.20 09:48|映画

ブルックリン


2015年 アイルランド・イギリス・カナダ合作



1950年代のアイルランド。小さな食料品店で働いているエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、偏見だらけで口うるさい店主に反感を覚えているが、他に働き口はない。しかし優しい姉がアメリカで働くチャンスを与えてくれる。ニューヨークに着いたエイリシュは、アイルランド移民が多く住むブルックリンで暮らすことに。昼は高級デパートで売り子として働き、夜はブルックリン大学の会計士コースで学ぶ日々。ある日、ダンスパーティーでイタリア移民の青年トニーと出会い、次第に充実した日々を送るようになるが家族の悲報が届き、故郷に帰るエイリシュ。アイルランドに帰郷した彼女を待ち受けていたのは、ジムとの運命的な再会、そしてもう一つの幸せな人生だった・・・



主演のシアーシャ・ローナンは「グランド・ブタペスト・ホテル」で気になっていた女優さん。何と「つぐない」でブライオニー役も演じていたとは・・・。全く気付かなかった。

たくましく生きていく女性は好きですが、恋人と夫を天秤にかけたようなエイリシュの生き様にはついて行けなかったあらゆる場面で彼女の心情が理解できませんでしたトニーやジムを愛していたのだろうか?


(今年の春に観ていました。気になる映画だったので備忘録として残すことにします。またいつか再見するかもしれません)





2017.07.15 11:59|映画


2016/アメリカ 
監督・製作:クリント・イーストウッド 主演 トムハンクス

2009年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでコントロールを失う。機長のチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー(トム・ハンクス)は必死に機体を制御し、ハドソン川に着水させることに成功。その後も浸水する機体から乗客の誘導を指揮し、全員が事故から生還する。サリー機長は一躍、国民的英雄として称賛されるが、その判断が正しかったのか、国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われる。


事故当時、機長が奇跡の生還を成し遂げヒーロー扱いで褒めそやされていた記事はまだ記憶に新しい本作が公開された昨年も、テレビや新聞などで盛んに話題になった。売り込みフレーズは『実話をベースにした』だった。それをまともに受け、真実は違っていたのだと長く勘違いしていました。白髪で穏やかな表情のパイロットのトムハンクスは、本当に彼なのと疑いたくなるぐらいの化けぶり。物静かでヒーローとは思えない行動や言動が映し出されると、もしかすると裏に何かが隠されているのではないかと勘繰りたくなる。公聴会などが開かれるシーンにやはりそうだったのだと騙され、後味の悪い結末が待っているのだろうと考えた。やはり彼は誤ったヒーロだったのか・・・。

原題は彼の名前から『サリー』。

本作は後に機長・サレンバーガー(サリー)が著した原作を基にして描かれたフィクションだったと解り胸をなで下ろしました。

サリーを演じるトムハンクスは苦手な男優さんだったが、「ブリッジ・オブ・スパイ」以来好きになっている。



2017.07.05 10:34|映画

 

2014年インド製作

監督 ラージクマール・ヒラーニ


留学先のベルギーで恋に破れ、祖国インドのテレビ局に勤務するジャグー(アヌシュカ・シャルマ)は、ある日黄色いヘルメットをかぶって大きなラジカセを持ち、さまざまな宗教の飾りを身に着け、チラシを配布する男(アーミル・カーン)と出会う。PKというその男は神様を探しているらしく、興味を持ったジャグーは彼を取材する。しかし、PKが語る話は途方もない内容で……。


『きっとうまくいく』の監督と主演者の2人がタッグを組んだ作品だから”きっと面白い”に違いないと迷わず手にしました。

予想通り、最高に素晴らしい作品に出会えた喜びの余韻があります。

宗教をパロディ風に仕立て上げながら信仰とは何かをきちんと掘り下げていく構成、テクニックは見応え充分で、SFコメディジャンルに相応しかった!

主人公(アーミル・カーン)は宇宙からやってきた宇宙人。彼を知る人々は、地球のことを何も知らないで取る彼の純真無垢な行動が奇行に見え、『pk』と呼びます。『pk』とはサッカー用語でなく酔っ払いという意味でした。目玉をぎょろつかせる場面はまるで歌舞伎のにらみをきかせた見得を切ったような演技。あのりゅうとした筋肉を見せつける主演のアーミル・カーンは何とも52歳でした!


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冒頭のTVリポーターのジャグーの果たせなかった恋から始まり、「神/宗教」という重く深遠なテーマを核にどんなラストを準備しているのだろうか。やってくれましたね!pkがジャグーに寄せるほのかな想いを通して、わかり易い結論が導かれていました。

コミカルなエンターティンメントを装いながら神と宗教の本質に迫まった作品だと思います。ジャグーも今どき珍しい女優さんのショートカットが似合い素敵でした。

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