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2012.02.28 16:04|
『母の愛』という邦題は解りやすいけれど、何ともお手軽なタイトルをつけたのだろうか。
原題は、イタリア語を直訳すると「私の家は鏡でいっぱい」となるらしい。原作はソフィアの妹マリーアが書いた(マリーアの結婚相手は、あのムッソリーニの息子・ロマーノ・ムッソリーニだった!史実)のだが、最後に謎が解かれる。女優ソフィア・ローレンの家族を描いた波乱万丈の物語で、ソフィアが母ロミルダ役を熱演している。かつては自分も女優になる夢を持っていたロミルダは、ソフィアが夢を実現するために、安ホテルに宿泊し、貧しい食べものを分け合い、マネージャ代わりとなって娘を売り込もうと日夜格闘する。ソフィア・ローレンは成功し世界的な女優となれたし、好きな女優の一人。
何せ時は1950年代のイタリアだ。現代だったらロミルダはもっと違う生き方ができていたかもしれないとも思える。本当に愛情の匙加減は難しい。
ロミルダが娘に注ぐ愛情は、母の愛を遙かに越えてしまっているようにしか写らなかった。残念ながら美しく感じられず、私の理解を超えている。私だったら耐えられなくて家出をしているところだ。あまりに支配的なため、周りを窒息させてしまうのだ。果たしてロミルダは気づいていたのだろうか?
子供に父親の姓を名乗らせるために、どんな手段を使ってでも認知させるという迫力は、まさに母の強さがあればだろうが・・・。
マリーアが父親に「母から離れて暮らしなさい」と言われ、別れ際に握手するシーンがある。金と名声を勝ち得たロミルダを利用する男の狡さも感じられる父親が、唯一父親らしい助言を娘にしている。
それにしてもイタリア男の尻軽さには辟易させられた。
 
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2012.02.20 22:45|

2年ほど前朝日新聞に紹介されていたコミックで記憶の片隅に残っていました。作者と鳥がメインの4コマまんが。主人公の周りにいる猫や、渡り鳥や金魚、虫などとの触れ合いがユーモア溢れるタッチで描かれています。作者は岩手県在住の現代版「虫愛ずる姫君」というような女性。くすっと笑えるようなほのぼの系のひょうきんな味付けがたまりません。つぐみん(つぐみ)とスズメ、ヒヨドリの餌争いタッグマッチがコミカルで飽きません。12巻も出るほどのロングセラーです。
 
2012.02.14 16:25|
今年が始まって丸ふた月も経たないけれど、ベスト5に入る本に出会ってしまった。歯切れの良いラストに酔いしれてなかなか次の本に移れなくなってしまっている。
 

戦後のどさくさに紛れ、浅草に建つストリップ小屋、「ミリオン座」。そこに働くストリッパー、ふう子のぼろアパートに3人の男が転がり込む。
田舎から出てきた中年の万歳芸人の岡部善造、東京大空襲で家族を失った活字好きの戦災孤児の田川武雄、復員兵の元映画青年鹿内光秀の3人。
 善造は、進出して来た風刺や時事をネタにした新しい笑いについていけず、ほっこりとなれる日常を切り取った笑いを信じて、自分の笑いに磨きをかけている。親代わりとなって武雄の成長を見守る善意のかたまりのような人柄だ。
ふう子は自分を元財閥のお嬢さんだったと偽っているのだが、武雄は嘘をついているのはおかしいと善造に詰め寄る件があった。(実は武雄も空襲で死んだ父を名誉の戦死と偽っている)。
その時も、善造は「嘘というのは、その人が『そうなりたいなぁ~、そうなれたらいいなぁ』という願いと同じなの、だから事実ではないかもしれんけど、本当じゃないとはいえんとよ。その人がそう思ってるゆうことは嘘じゃあないけん」と諭す。そうなんだぁとはっと気づかされてしまった。本当に温かい人だ。
武雄は「だったらどうしてみんな『嘘はいけない』って言うんでしょうか」と畳み掛ける。善造は「それはね、嘘をついてる人を指差して『それは嘘だ』『お前は嘘つきだ』と角出して怒る人がおるからよ。相手の気持ちを慮らんと、『嘘はダメ』『本当ならいい』ってなんでんかんでも杓子定規に白黒つける人を見るのは、おじさんも好かん。みすぼらしいことよ」と言い返す。杓子定規に白黒つける人はみすぼらしいと言い放つ視点が善造らしい。お人よしそうだが彼なりの素晴らしい哲学が一本通っている。
「それは嘘はいけない、っていうのとは違う話ですよ」と武雄はなおも食い下がるのだが、善造は「いや、同じよ。人として一番つまらんことだもん」と応えた。そしておじさんは嘘をついたことはないのかと訊かれると、「おじさんは、なかよぉー。だっておじさんは現実のおじさんに満足しとるもん」と笑うのだ。そうか、自分に満足していたら嘘をつく必要はないのだ。いつもいつも自己否定している自分が情けなくなるが、善造に励まされているような気もしてきた。
善造がついにスカウトされてオーディションを受ける時などどきどきしながら読んだ。
ふう子はふう子で、ストリップを芸術に昇華させようとしている。決して男に媚びたダンサーではなく、小屋の支配人や光秀からお客に受けるような踊りを命ぜられても自分を譲らない。「ター坊(武雄)、私は何の取り柄もないけれど、戦争が終ったときふと思ったの。私には『生き抜く』っていう才能があるのじゃないかと・・。誰よりも優雅にエレガントに生き抜くことをやりとげようて誓ったの」。エレガントとは何が起こっても何を言われてもビクともしないで、いいときも悪いときも優しくにこやかにいるという意味だそうだ。そうなのか、エレガントは弱弱しいイメージがあるけれど、強さなのだと気づかされた。
光秀も戦地に行き、屈折しているが悪い男ではない。似かよっているから私もそう彼を非難する事はできない。
武雄が個性豊かな大人の中で成長していく物語でもある。彼がファインダーを覗いた時の高揚感や、フィルムを入れて初めてシャッターを切り撮った写真が思い描いていた別な物も写していたと気づく瞬間など瑞々しく描かれていた。
そして何よりも素晴らしいラスト!彼らはこの寄せ集めの家族で終わるのではなく、またそれぞれの世界に独り立ちしていくのが清々しかった。
お別れする時に、善造が卵かけご飯を皆にご馳走するシーンがある。祖母の家に預けられていた幼い頃、週に一日だけ孫の私は特別に卵かけご飯を振舞ってもらった。白いご飯に黄身がとろけて醤油と混ざったご飯は、あの頃でも本当にご馳走だったのだ。今では1パック100円を切る時代だから、子供は卵かけご飯を喜ばない・・・。
 

 
2012.02.09 15:36|

荻原さんは和のファンタジーを描けると期待している作家。レッドデーターとは絶滅危惧種という意味合いがあると、山で色んな植物に出会い知った。タイトルが「RDG」とは絶滅危惧種の少女とかいう意味合いだろうか、題にも触発され刊行後すぐ飛びついた。でも、「空色勾玉」「白鳥異伝」「薄紅天女」などの勾玉三部作や「西の良き魔女」などを読んだ時の衝撃がなかった。
知らない間に続巻が出ていて、今回再び挑戦したが、2巻目の途中でついに止めてしまった。読者年齢を下げたのだろうか、今までは大人が読んでも読み応えのあったのに残念だ。次作を楽しみにしましょう!
 
現在読んでいるのは「笑い三年、泣き三月」。直木賞受賞した『漂砂のうたう』は全然受けいれられなかったけれども、この作品はぐいぐい読ませてくれる。ファンになってしまいそう。新しいお気に入りの作家さんが出てくると嬉しくなる。
 

2012.02.07 11:29|
小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが・・・
 
高校、大学と演劇部に籍を置いていた私だから、劇団員フラッグの仲間達の気持ちが分かるなぁと共感しながら読み終えた。
司に叱られても仕方ないかも・・・。今でも分かるよ、この気持ち。

劇団員にしても、バンドを組んでいる連中も同じだろうが、彼らにとって公演でペイできなくてもあまり問題じゃない。好きな演劇がやれればそれで十分なのだ。生計はアルバイトで何とか凌げればいいんだから。
そこに司が切り込んだ。「シアターフラッグに足りないのは才能ではない。経済感覚と社会的なスキルである。学生からそのまま演劇の道に入り込んだために経理や事務的手続きをなおざりにしてしてしまっている。いつまでたっても持ち出しが当たり前という意識から抜け出せない」「金って一番裏切らない価値観なんだよ。義理や人情で物の値段は決まらない。俺の値段は給料だし君らにはギャラなんだ」
はい、まったくその通りです。この感覚から抜け出すのに結構長くかかった私なので、大きな顔はできませぬ・・・。司の同僚で登場する昔演劇青年に近いかも。
司は決して金一辺倒の人種ではないから嫌みには聞えないだよなぁ。魅力がある30歳前半の頼もしい男。過去の公演の収支決済を参考に、削るべき箇所を削れと、憎まれ役を買いながらも的確な指示を与え続ける。
アンケートに「演劇を見慣れていない人でも気軽に楽しめる分かりやすい舞台がとても好きです」の感想が多いのを読み、シアターフラッグが軽快さを持ち味に充分売り込めるはずだとも思っている。そして、軽快という価値観は最後の最後にどうしても瑕疵になるのだろうかと、演劇界に疑問をもぶつけてくれた。
これって、文芸や映画などにも良く見られる傾向だから共感した。エンタメは格下で玄人好みの作品が重厚な作品だと思われる節が日本には多い・・・。暗くてどろどろ物が某候補に上がり持てはやされる。
 
牧子はさすがに劇団の看板女優だった。
立場的には主役をプロ声優・羽田千歳にとって替わられたのに、彼女なりのプライドで巧や千歳に対峙している。
続編では、巧が劇団の主宰として自覚し更に変わっていく姿を期待している。図書館に予約中です。
 
※「掃きだめトレジャー」の舞台がイマイチ伝わらなかったのは惜しい。有川さんの本は今まで全然駄目で、初めて出会えたような著書でした。
 
 
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