2013.07.30 16:35|
 

2011年
便利屋主人の多田啓介は、何をするにしても慎重派のしっかり者。淡々と確実に仕事をこなす一方で、産まれて間もない息子を死なせてしまい妻と別れた過去を持つ。そんな多田のもとに転がり込んで来た同級生の行天春彦は、黒いロングコートに健康サンダルという奇妙な出で立ち。謎に満ち、飄々としていて全くつかみどころがない。一晩だけのはずだった水と油のような二人の共同生活は、どこまでも続いて行く……。つかず離れずの同級生以上親友未満。共にバツイチの30代の男たち。
 
三浦しをんは好きな作家さんなんだけど、数年前に読んだタイミングが悪かったのか途中で止めていた「まほろ~」でした。でもずっと気になっていて映画でラストまでたどりつけ本当にラッキーでした。背に重たいものを抱えている主人公2人が、時にシリアスに、また時にコメディタッチで演じる大好きな味付けでした。どこかの涙腺をやたらと刺激して落涙を誘う映画よりずっと上品です。
子供を亡くした多田が「お前なんか子供も、お前を慕っている女までいるくせにすべてが無いとぬかしやがる」と行天に云い放ち、「明日出て行け」というシーンなど胸が熱くなります。
母親に愛されない由良と3人で話したフランダースの犬についての感想。「両親が居ないのと、居ても最初から愛されないのとどちらが不幸?」と子供に聞かれ、多田は「たとえ愛されなくても、これからお前は人を愛せるだろう」と諭しますが、多田も一年が終わろうというのに未だ変われそうにもない自分と向き合っている。そうなんだよね、大変なことがあって前向きになろうとしても這い上がれない辛さ。人はなかなか変われずそれでも引きずりながら生きていくしかない。痛みが分かる2人だからこそほおっておけないんだ。便利屋に訪ね来る人は心に何だかの病を持った人が多く、それを親身に受け止め相談に乗ってくれる多田と行天。無骨な友情関係にほっこりと心が温まるバディ映画です。
瑛太はもともとファン、最近松田龍平のファンにもなりつつあった2人のコンビはカッコイイ。
エンドロールに流れる“くるり”の曲キャメルもgoodでした
 
2013.07.26 17:13|

 
原作には源さん一家を救うエピソードだけしかなく、比べ物にならないぐらい映画の方が良く好きでした。
 

 
福島県費生として上海の東亜同文書院に学び、現地入営した矢田部信幸。23歳で終戦を迎え、7年ぶりに戻った祖国は灰燼に帰していた。復員列車で助けられた男をたずね、深山を巡るうちに木工に魅せられていく。木地師の源流とこの国のなりたちを辿りながら暮らしのありようを考えさせられる。大化の改新が違うとらえ方で描かれていたのが興味深い。戦争の爪痕、男女の機微、歴史観が骨太に展開されていた
 

 
すでに映画化はされている本書のタイトルに“完全なる”があった。使いやすく心動かされる言葉なのか?少女漫画家の和淳美は、植物状態の人間と対話できる「SCインターフェース」を通じて、意識不明の弟と対話を続けるが、淳美に自殺の原因を話さない。ある日、謎の女性が弟に接触したことから、少しずつ現実が歪みはじめる。ラストのどんでん返しにびっくりはさせられたが、私向きではなかった・・・。冒頭奄美の島の描写には魅せられた。
 

 
Seven Pounds
2008年
アメリカ
 
難も無く、それでいて魅力もなく ・・・。(後から付け加えるかもしれない)
2013.07.19 14:40|

「完全なる報復』(原題: Law Abiding Citizen)は、2009年のアメリカ映画
 
邦題の“完全なる報復”と原題 Law Abiding Citizen(法律をよく守る良民)が、意味をなさないタイトルだと思うほど曖昧なラストだった。娘の音楽発表会を夫婦2人で聴き親子が寄り添う幕切れはあまりにも安直だろう。右腕だったサラまで失いながら、司法に関するニックの応えはどこにもなかった・・・。(追記を読んで下さい)。途中でクライドに詰め寄った「裁判で負ければ無罪放免で釈放されてたかもしれなんだぞ」では、自己弁護にしかすぎないと本人も分かっていたはず。クライドは自身の罪を受け入れナパームの業火に包まれるのは本望とは云えさぞ無念だっただろう。彼に肩入れし「復讐するなら、周囲を固めずニックを真っ先にやれよ」と思いながら見続けた私。 
ニックが主犯格の犯人と司法取引を行い、司法制度の問題点を追求するのが主眼なのだろうかとの思わせぶりで持って行き、いつの間にかセンセーショナルな猟奇的な復讐テロになってしまい期待はずれとなった映画でした。
 

 
上記マミイさんのイラストを観て浮かんだ一首をクライドに捧げます
 

ブレスレットに娘が綴るDADDY(ダディ)の文字紅蓮の炎とともに燃え立つ
 
追記 宵乃さんのコメントでニックが「犯人とは取引はしない」と クライドに云ったことで応えは出て納得したのでは?と指摘され、再見しました。ナパーム弾がクライドを呑み込む前に、確かに2人の間で交わされていました。何故、この会話が耳に入らなかったのか・・・。実はこの場面のちょっと前から愛想をつかしながら観をしていたのです。ながら観はいけないとつくづく反省。
ということは個人的な復讐は完結しているのではないか!?
2013.07.12 13:26|
 

 
Le Grand Meaulnes(モーヌの大将)
1968年
フランス
 
森と沼の多いソローニュ地方。スーレル夫妻(M・キュブリェとT・ヤンタン)の寄宿学校に、十七歳のオーギュスタン・モーヌ(J・ブレーズ)がやって来たのは、秋も終りに近い頃たった。大柄で力強く、意志の力にあふれた彼は、級友たちにグラン・モーヌ(モーヌの大将)と呼ばれ、学校の中心的存在となっていった。十五歳のスーレル氏の息子フランソワ(A・リボール)はオーギュスタンへの強い憧れを感じた。そんな時、オーギュスタンが突然失踪した。二昼夜後、学校にもどった彼は自身の経験した不思議な事件をフランソワに語るのだった。その話とは……森へ迷いこんだオーギュスタンは、城のような邸宅で催されていた邸の息子フランツ(A・ヌーリ)の婚約祝の華やかさに眩惑され、一夜を過ごし、さらにその中で神秘的な美少女で、フランツの姉イボンヌ(B・フォッセイ)に逢い、互いに魅かれあった
 
先の映画が何だったのかを知りたくなり、1960年代のヨーロッパ映画のタイトルを検索して羅列。まもなく「さすらいの青春」という題名が記憶にカチンと当たりました。内容を読み、たぶんこの作品だったのだろうと確信しています。
雨の中と勘違いしていたのは、画面が幻想的で霞んでいたからなのでしょう。サーカスの場面は、フランツが行方をくらましサーカス小屋で発見されていたからでした。
何と、イボンヌの役を演じていたのは禁じられた遊びのB・フォッセイでした。脚色・監督はジャン・ガブリエル・アルビコッコ。
高校生で観た「みじかくも美しく燃え」との2本立て(たぶん)でしたが、私は「みじかくも~」の衝撃的なラストも含め退廃的な雰囲気のあった心中事件より、「さすらい~」の方がずっと印象に残っています。
あの頃から今の私が育っていたのでしょう。
 
 
 

 
2013.07.11 13:55|
167年スウェーデン製作
 
10代の頃に観た映画です。その頃私が育った鹿児島の片田舎には映画館が1軒しかなく、右側は任侠物とポルノ映画、左側は文部省推薦映画と思しき映画が上映されていました。そこで観た映画は青い山脈、ロミオとジュリエット その頃人気だった男優(レイモンド・ラブロック)のガラスの部屋?など。
 
内容はほとんど覚えていません。タイトルも「美しくもみじかく燃え」と勘違いして覚えていたのです。北欧の緑なす風景の中、ピクニックをして戯れている男女2人が繊細に美しく撮られていました。それが突如、スクリーンに一発の銃声が鳴り響き画面が止まったのでした。
この映画がスウェーデンで実際に起きた事件を元に作られたということ。奇しくも124年前の7月20日に起こったということを、懐かしさにかられて検索しているうちにしりました。当時サーカスの綱渡り芸人エルヴィラは22歳、シクステン・スパーレ中尉は35歳。ひとまわり以上に大人だったシクステンだったのにとは思いましたが、若い2人でした。
懐かしい思い出とともに蘇った映画です。
同じ頃に観た映画で、雨に煙る森の中サーカスめいたファンタジックで幻想的に描いた洋画があるのですが題名が思い浮かびません。
一番印象に残っていて是非再見したい映画です。教えてもらったら本当に嬉しいのですが・・・。
  
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