2015.01.29 16:39|


今回の「ブログdeロードショー」はファンタジーアニメが課題!?苦手なお題目が連続となり、今回も自身の記事はスルーして他の方々のを読ませてもらおうかなと腰が引けていました。 しかし日本のアニメはレベルが高いのだからと思い直し、レンタルショップでいつもは踏み入れないアニメ部門をチェックすることにしました。まず常連のTSUTAYAから2件目にゲオへ。ゲオのアニメコーナーは明るくて充実していました。読みたいコミックがDVD化されているのに驚き、ジブリやディズニーしか知らない私は、これも面白そうあれもと引き込まれたのは本当です。
その中で『新海誠監督』の名前を発見。あの「言の葉の庭」←(こちらに感想)の監督さんじゃなかったけ。この作品は大好きだったので、SFファンタジーっぽいけれど挑戦してみることにしよう!
津軽海峡をはさんで南北に分断占領された日本が舞台。北海道はユニオン軍に占領され、「蝦夷」という名称に変更されているらしい。そのシンボルとして天空に伸びる巨大な塔「ユニオンの塔」に、主人公のひろきとたくやは自ら造った飛行機でいつか行く夢を持っている。そしてさゆりも連れて行くと約束をした。ユニオン軍の正体について映画の中に説明は全くされていない。(観た後で検索した結果、1956年に北海道はユーラシア大陸の全共産国家を統合する「ユニオン圏」に統合され、1975年に本州との国交を断絶した設定)。つまり日本はユニオン軍支配下の蝦夷と米国が占領する本州とに分断されているらしい。アメリカ対ソ連の構図は旧いと思っていたら、この映画の製作は2004年でした。
「ユニオン」までは面白そうでしたが「平行宇宙」とか、3年間こん睡状態になっているさゆり、その彼女の脳と宇宙とのからみが解説不足のまま展開されていく。
さゆりが目を覚ますためには海の向こうのユニオンの塔に連れて行かなければならない。大人になった2人は中学の頃の約束を果たすために、自分たちで飛行機を作り、危険を冒して塔へと出かけ、最後には爆弾で破壊して世界を救いさゆりが目を覚まします。不可解な言葉が邪魔をしたままエンドを迎えさせられた・・・。不満が残ります。
それでも、校舎や日の陰った教室、部活、通学時の2人歩き、雨など懐かしい記憶が想起されるような映像はやはり素晴らしく、9年後に創られる「言の葉の庭」を予感させるものが確かにありました。宮沢賢治の詩やバイオリンの奏でる音色も、色褪せていく青春の欠片を煌めかせていたと思います。
無理してノスタルジアを感じようとしているのかな、私?

2015.01.22 15:17|

 
仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。
 

監督
呉美保

キャスト

  • 佐藤達夫:綾乃剛
  • 大城千夏:池脇千鶴
  • 大城拓児: 菅田将暉
  • 中島:高橋和也
  • 松本:火野正平
  • 大城かずこ:伊佐山ひろ子
  • 大城泰治:田村泰二郎
好みではない芥川賞作品を映画化した作品でしたが、忘れられない映画となりそうです。受賞したのは監督と綾野剛や池脇千鶴。だけど、拓児を演じた菅田将暉、中島役の高橋和也らの脇をかためた演技なくしてはここまで高められなかったと思う。性描写のシーンはかなり露出度が高かったのに、女性側から観て納得できるように撮られていたのはやはり女性監督だからだろう。音楽も良かった!(時間がないので、後から付け加えるかも)
原作者が41歳で自死しているのが分かるような気がする。たぶん自らを投影して達夫を描いたのだろう。観終わっても、これから千夏は過酷な状況でも生きて行けるだろうが達夫はとても気がかりだ。ここに登場している男すべてに関しても同じ。
 
 
2015.01.15 16:25|

桃太郎や白雪姫、花咲爺、かちかち山、七夕のおはなしなど、誰もがよく知っている昔話、伝説、神話は、それぞれに人生の知恵を持っている。そんな「おはなしの知恵」を、臨床心理学の著者が新鮮に読み解く。
 
ヨーロッパの昔話は、グリムなど若い男女が主人公となり難関を次々に突破してラストは結婚でハッピーエンドとなる展開が多い。それに比べ日本は「昔昔、おじいさんとおばあさんがありました」で出だしが始まるように、老人が登場する率が高く、外国の学者からも指摘されているという。
若者が自我を確立していく時、積極的に行動し他と戦って成功する前進型ならば、老人は思いがけない不幸な出来事にこだわらず受け止めて、それまでの知恵と経験で何とかしようとする。
今から老いていく身には灯りが射して来たような心持ちにしてもらえた。
もう一つの驚きは、古今東西に登場する筆者の「継母」の解釈だった。
継母が実子ばかりを可愛がり血のつながらない子に意地悪をするパターンは、読んでいても幼いながら嫌な感じだった。
河合さんによると『白雪姫』も『ヘンゼルとグレーテル』ももともとは実の親子の話だったのを、グリム兄弟が編纂するにあたり、実母がこんなことをするのはあんまりだと継母に変更したという。河合さんは、たとえ実母と子供であっても、時には凄まじい感情が働くこともある。それが人間として当たり前でもあると理解した。『継母』が実母の裏面を演じているだけで、本当は一人の母親だと解説してあった。
子育てを通して子供を疎ましく思う時に自己嫌悪に陥ったが、河合さんはそれを嘆く必要はないと言っていた。子供は母性に潜むマイナスの面に触れ、それを踏み越えることで母親から自立していくのだそうだ。マイナスも必要ー、両方があって母性は本来の働きを遂行できるのだから。
自分の内に時折り湧き上って来る負の感情もそれと同じことなのかもしれない。
微妙なバランスの上に私たちは生きているのだ。落ち込む必要はないと励まされた本でした。
 
2015.01.13 18:33|
 
今日「さよならのあとで」の本を再度見たくて街の書店まで出かけました。「あしたから出版社」に、「さよならのあとで」を出版するにあたって、イラストレーターの高橋和枝さんと濃密な時間が長く交わされたのを読んで、彼女の絵を見ながら詩をもう一度味わいたかったのです。残念ながら本は売り切れていました。
でも、YouTubeに高橋さんのイラストも含めて紹介されていて良かった!
島田さんが高橋和枝さんを是非にと名指された理由が分かります。最初は色づけで描かれていたのを、島田さんがモノクロでお願いしたそうです。簡素なイラストが詩の邪魔をしないで程よく寄り添っていると思いませんか。
 
親しい名前で呼んでください。 あなたがいつもそうしたように 気軽な調子で話しかけて
あなたの声音を変えないで。重々しく、悲しそうな不自然な素振りを見せないで。
 
 私の名前がこれまでどおりありふれた言葉として呼ばれますように
 私の名前がなんの努力もいらずに自然にあなたの口の端にのぼりますように
 私の名前が 少しの暗いかげもなく 話されますように
 
そして最後の1行の締めが
「すべてはよしですだなんて!
 
「さよならのあとで」は、思いがけず東日本大震災で被災した人々にたくさんの勇気を与えた1冊となりました。
  
2015.01.11 17:48|

 
本の紹介番組「すずらん堂」に出演していた島田潤一郎さん!暮れに訪れた武雄市図書館にちょっとしたコーナーで平積みされていました。
読んでいると彼がどれだけ無類の本好きなのかがしみじみと伝わってきます。平易な言葉でそこはかとなくユーモアも漂っていて素朴な人柄が伝わって来る文章。ゆったりとしたオタクっぽい生き方なのにこだわる所はとことん拘る島田さんに好感を持ちました。彼は小説家になれないと諦めていらっしゃいますが、絶対筆力のある方だと思います。いつか彼が書いた小説を是非読んでみたい!
彼が出版社を始める原動力となったのは仲の良かった従兄の死。その叔父と叔母に捧げるために本を作ろうと思い立ったのです。「さよならのあとで」はたった一編の詩だけで作られた本です。7
 
さよならのあとで / 詩 ヘンリー・スコット・ホランド  絵 高橋和枝
 
さよならのあとで

 死はなんでもないものです。

 私はただ
 
 となりの部屋にそっと移っただけ。

 私は今でも私のまま

 あなたは今でもあなたのまま。
 
 私とあなたは
 
 かつて私たちが
 
 そうであった関係のままで
 
 これからもありつづけます。
 

 私のことをこれまでどおりの
 
 親しい名前で呼んでください。
 
 あなたがいつもそうしたように
 
 気軽な調子で話しかけて。
 
 あなたの声音を変えないで。
 
 重々しく、悲しそうな
 
 不自然な素振りを見せないで。
    
 私たち二人が面白がって笑った

 冗談話に笑って。
 
 人生を楽しんで。
 
 ほほえみを忘れないで。


 私のことを思ってください。
 
 私のために祈ってください。
 
 私の名前がこれまでどおり
 
 ありふれた言葉として呼ばれますように。
 
 私の名前が

 なんの努力もいらずに自然に
 
 あなたの口の端にのぼりますように。
 
 私の名前が

 少しの暗いかげもなく
 
 話されますように。


 人生の意味は
 
 これまでと変わってはいません。
 
 人生はこれまでと同じ形でつづいています。
 
 それはすこしも途切れることなく
 
 これからもつづいていきます。

 私が見えなくなったからといって
 
 どうして私が

 忘れられてしまうことがあるでしょう。


 私はしばしあなたを待っています。
 
 どこかとても近いところで。

 あの角を曲がったところで。


 すべてはよしです。 
 
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