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2015.09.29 11:58|


2006年・岩井俊二監督 

きみやすさんが勝負映画に『黒い十人の女』を取り上げてあり、調べたら、和田夏十のオリジナル・シナリオと解説されてありました。市川崑物語で和田夏十さんのことを知り、彼女と手がけた作品をいつか観たいと思っていました。
チャンス到来です。
2011/8/11に書いた記事を、別なブログから転載します。



監督が好きな岩井俊二だったので迷わずに録画。さすが、岩井俊二!セリフがまったくないユニークな手法にまんまと引き込まれてしまった。過去の回想場面を字幕テロップと写真、アーカイブ映像のみで構成してあるのが斬新だった。市川監督へインタビューしたはずなのに、ナレーターも使わずに監督の「思い出語り」も全て字幕で語るという徹底振りが功を奏している。そういうと退屈なようだが、字幕の言葉が背広姿でなく、携帯メールの文体のようにラフな言葉で語られているのがとても自然体で身近に感じられた。見て、思わず吹き出した字幕もある。一番の収穫は、伴侶であり脚本家の和田夏十(なっと)という存在を初めて知ったこと。幼い頃から女性に囲まれて育った市川崑監督と、バリバリのキャリア・ウーマン的なキャラクターで理論家だったという和田夏十さんとのコンビで生み出された映画を観ていないのは実に残念に思える。50年代~60年代前半の日本映画界を文字通り牽引してきたという・・・。彼女は乳がんで亡くなりコンビは解消したが、その後も市川崑はTV界にも名前を売ってきた。これからもまだ映画を撮り続けると現在進行形で終ったのもまたgood!時代物が苦手で市川崑の作品は「おとうと」しか観ていなかったが、彼の作品をみてみようという気になった。(2011/8/11記)

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2015.09.24 16:31|

原題 The Lady Killers
製作年 1956年
製作国 イギリス
邦題(マダムと泥棒)
 知らなかったとは云え、自身が強奪事件に一役買わされていたと分かったら、あなたならどうする?
 ウィルバーフォース婦人は30年前に夫をなくし、鸚鵡を友に暮す無邪気でお人好しの老未亡人。人寂しさに部屋を貸すのだが、張り紙を見てやって来たのは5人組の男たち。音楽の練習のためにとは大嘘で、実は彼らは大泥棒だった。レコードでメヌエットの曲を流し、連日悪事の相談が実って現金輸送車を襲い莫大な紙幣を奪う。その時借り出されたのが童女のような婦人だった。何も知らない婦人は盗んだ現金を白昼堂々彼らが待つ自宅へと運ぶ。まんまと成功した彼らは部屋を引払うことにしたが、玄関を出る間際持っていたチェロケースが扉にはさまれ、詰めた紙幣が夫人の眼前で飛散ってしまいバレてしまった。
 さあ、自分も片棒を担いだと知った彼女。そこへ友人たちが訪ねて来る。彼女たちを事件に巻き込まないようにという婦人は実にあっぱれだった。毅然とした態度で、犯人たちに「1時間だけは紳士でいるように」と彼らを制す。このセリフで、私はたちまち夫人の擒となる!たいていの俗事には驚かないようなおとぼけキャラに、友人を守ろうとする矜持を持った彼女は実に素敵。
 いったんは「今回の事件で保険金が下りるため損をする者はいない」と言い包められそうになるが、警察へ自首すると彼女は言い張り、5人は彼女を殺そうと決める・・・。
 大事件に巻き込まれながらも婦人のかわす技はあざとさがなくて小気味よい。演じているカティ・ジョンソンは若い頃に映画に出たことがあるらしいが素人に近く77歳だったそうだ。名のある男優たちで占める泥棒組を前に全く引けを取らなかった。
 1955年に生まれたブラックコメディには気品が感じられる。
コメディに殺人は禁じ手だろうが、汽車の煙に巻かれて“見せない”演出を取ってあるから許せる。また彼らが本当に死んだかどうかも分からないではないか。(まぬけでお人好しな彼らはどこかで悪事を狙っているようにも思えた)
 冒頭で、夫人が時々奇想天外な話を警察に持込んでは署員を辟易させていたシーンが、ラストで大きく効いて来る。
 彼らの姿だけが消えお金だけが残った。
 婦人は出頭して「強盗事件の犯人を知っている」と話し始めるが、警察官は又いつものホラ話が始まったとばかりと相手にしない。「お金はどうしたらいいんですか」と老婦人に訊ねられ、「もらっておけば」と応えて追っ払う。帰りがけ、気を大きくした彼女は物乞いに大枚を渡し意気揚々と引き上げる幕切れ。
ウィルバーフォース婦人は柳川とし子刀自とは全くタイプが違うが、『大誘拐』を想いながら、ラストで映し出される婦人の住む街並み、鉄道や駅舎を観ていた。
命がけの勝負を真っ向勝負で挑むことはない。ひょうひょうとするりとかわす術で乗り切るのも良いではないか。でも、そちらが私には難しそう。結晶性知能を高めるとしよう!


映画のポスターが気にいりました。
&泥棒組が婦人をごまかすために流していた”メヌエット”、当時流行したそうですよ。






2015.09.23 09:02|


原作となる大岡昇平の『俘虜記』は、高校時代に現代国語教科書に載っていました。ジャングルをさまよっている「私」が遭遇した米兵を何故撃たなかったをめぐって考察してあったと思います。淡々として抑えたタッチが効いていた記憶が微かに残っています。映画を観終え、それはほんの巻頭部分でその後に壮絶な展開があったのを知り愕然となりました。
自らメガホンを取り、田村一等兵をも演じた塚本普也監督の熱意と魂が込められた作品でした。(詳しくは最後に添付した画像の右下+ボタンを押してもらえれば読めます)
人は極限に置かれたらどんな行動に出るのか。為人(ひととなり)の最高の勝負は戦下のもとで行われるのではないだろうか・・・。ジャングルの奥地を彷徨い食料に尽きた時、人は人肉を食むという行為に及んでしまった・・・。

当地で頑張っている単館が1000円で一週間の放映。平日鑑賞にもかかわらず、8割強の入りでした。本作へ対する関心の高さが伺われ、入り口には資料も何点か掲示されていました。




↑黒澤明と同じく絵コンテを用いてあった!



右下に合わせ現れた印を押せば大画面になります

原爆や戦争をかいくぐって生き延びた人たちが「何故自分は生かされたのかを考える時、後世に伝えよということで、私には伝える義務があるのだ」と述べます。定番のような言葉に、またかぁ~と不埒な感想しか抱こうとしなかった。しかし、本作を観て胸の裡に『伝える』ことの重要性が深く刻まれました。ラストで主人公の彼が命を縮める思いで原稿用紙に向かう姿や、食む時に食物に叩きつける奇妙なしぐさは、彼らが思い出したくもない過去を絞り出すようにして語る姿と重なります。
安保関連法が成立してしまった現在、闘いに行く人たちが似たような境遇に追い込まれない事を祈ります。
まだまだ書き尽くせない言葉がたくさん残っています。返信コメントで補っていくつもりです。


野火を観し恐怖に粟立つ両腕(りょうかいな)土を振るいて心鎮めむ

極限に置かれし者に悪鬼告ぐ「カニバリズムの選択あり」と

帰還後もレイテの野火に蝕まれ書かれし俘虜記平成に観る

(後に多少の修正あり)



2015.09.14 12:07|



つい先ごろの新聞に、太宰が当時芥川賞選考委員の一人で師弟関係にあった作家の佐藤春夫氏に、芥川賞授賞を懇願した手紙が見つかったという記事がありました。『走れメロス』以外は暗く、太宰の本はほとんど読んで来なかったのですが、精神的に不安定だったとは云え懇願する手紙を書いた彼が身近に思えるようになりました。
また、現在某テレビ局”100分de名著”で、高橋源一郎さんが太宰治の『斜陽』を解説しているのを聞き(彼の講義は解り易い)、以前に読んだ本を思い出し、他のブログに書いた記事を読みなおしました。

北村薫さんの最近の著作『太宰治の辞書』も興味深い。「本のための本」は大好きなジャンルなので是非読まなくちゃ!


太宰が水商売風の女性と玉川上水道で入水自殺をしたという私の勘違いも甚だしい。山崎富江さんは語学にも堪能なキャリア・ウーマンの美容師だった。しかも夫は三井物産に勤務する有能な男性で、婚礼後わずか10日でマニラへ単身赴任し、そこで彼は戦死を遂げている。彼女はうら若き未亡人でもあった。

彼女の父晴弘はお茶ノ水美容洋裁学校を創設し、これからの女性も仕事を持つべきだと自ら熱心に指導し、自分の娘富江にも技術を伝授している。富江さんは卒業後、美容学校で指導者となり、その後東京や鎌倉で腕の良い美容師として評判を取っていたのだ。
なぜその富江さんが女給まがいに(差別的ですが当時の新聞記事のまま)おとしめられて報道されたのかが、著者が富江さんの綴られた日記などを取材して執筆した。

読み終えて、富江さんの小説でありながら、本当の主人公は父親の晴弘だったように思えて仕方がない。
彼は他にも娘や息子を戦争でなくし、太宰を自殺にそそのかせた娘の父親として汚名を着せられ、その後の人生を歩んだ。津島家と美知子夫人に遠慮して墓に富江さんの名前が刻まれたのはだいぶ後になってからという

                                 2010、7、14記



2015.09.13 17:54|
『日本のいちばん長い日』はずっとレンタル中ー。このまま夏も終わるのだろうかとがっかりきていたら、単館のセントラルが「野火」をやってくれるんだって!やっぱり頼りになります。今夏を逃がしたくなかったから嬉しい。

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