2016.03.22 14:14|映画


以前録画していて、冒頭のケイト・ウィンスレット演じるクレメンタインのエキセントリックさについていけずわずか10分で投げ出した作品でした。今回は”お題”となっていたおかげで放り出さずに最後までたどり着けました。今回もブログdeロードショーに感謝しなければ(笑)。大まかにはややこしい時系列が理解できたのですが、納得するために、もう一度髪の色をチェックしながら観ました。巧みな構成ですが、通常の映画館鑑賞一回では難解じゃないでしょうか?それとも私がついていけていないのか・・・。
中盤の、記憶除去手術をする現実世界とジョエルの脳内世界が交互に語られジョエルの記憶除去が終了するまでを描いた件(くだり)ぐらいから、印象が変わり始めました。
ジョエルがクレメンタインの記憶を消したくないため、クレメンタインを記憶の底に隠し幼少期まで遡っていくシーンは見応えがありました。幼い記憶はそれぞれがどういう経路で性格が形成されていったのかを知る手がかりとなります。まったく正反対の2人がどうして引き合うのかが証明されていたと思います。記憶除去手術の間、ジョエルは自己考察を続けているわけです。しかし、ジョエルが自分の脳内で考察しているのですから、記憶を消した後のクレメンタインが登場して「モントークで会いましょう」と彼に囁くのは有り得ないことです。でも、整合性がないと切り捨てずに、このセリフはジョエルがクレメンタインをまだ好きで諦められずに云わせたのだと理解しましょう。出会いの記憶を手繰り寄せ、本気で彼女を知ろうと試みたのですから。クレメンタインも自分は衝動的な性格だから、耐え切れず爆発することもあるだろうと予測していたのでしょう。だからこそ、冷静なジョエルに、あなたを信じているから見捨てないでと、常に願っていたのでしょう。
何といってもラストがすごすぎました!
2人の暴露した本音がテープから流れてきます。まずクレメンタインはジョエルを「あんな退屈な男はいない。彼といると自己嫌悪になる」。一方、ジョエルはクレメンタインを「酷い情緒不安定で、惹きつけられるけど魅力的ではない。知的でなくボキャブラリーが貧困で彼女といると恥をかく。下品な髪の色。物悲しいセックスしかできないetc・・・」。(私が昔、初見で観た時のクレメンタインに対する感想そのままで笑ってしまいました)。
そんなの聴いたらもうやってられない。別れるのかと思いきや、ジョエルが「Okay!」というんですね。そして即、クレメンタインも「Okay!」と返す。「それでもいいよ」「そうね」だったのです。このセリフに痺れました。長年付き合っていれば、夫婦をやっていれば多々あります。許し合いは相性の良し悪しを超えることもある!
ここで思い当たったのがメアリーが好きな句を紹介しているセリフでした。
1つ目は「忘却はよりよき前進を生む」。
2つ目に「幸せは無垢な心に宿る。忘却は許すこと。太陽の心に導かれ、影なき祈りは運命を動かす」。この2つ目の引用句はそのためにあったのだと気づきました。忘却とは記憶を消すのみではなく、許すことでもあったのです。ガツンとやらましたね。さすがにチャーリー・カウフマンです。(「マルコビッチの穴」は映画館で観たためさんざんだったけど再見しようかな)

蛇足追記
「記憶の一部が消されたらどんなにか良いだろう・・・」。弱虫の私は辛い闘病中にいつもいつも考えていました。病から逃れるために、病名を頭から消してしまいたかった。映画の中のような軽薄な会社ではなく、きちんとした医学機関にあれば施術してもらいたいと願う患者さんは、現実的に居ると思います。重篤な病気の自分にも明日や未来があると信じたい切なる願いからです。

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