THE DANISH GIRL
イギリス アメリカ ドイツ
- 監督 トム・フーパー
1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼される。その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナーは、心と体の不一致に悩むことに。当初はそんな夫の様子に困惑するゲルダだったが、次第に理解を深め……。
「アイナー、今の時代に生まれていたらこれほど苦しむことはなかったのに!」と、そんな感想を持つのは甘いのだろうか。性別に女、男だけでなく、どちらにも属さない性があると言ったのは誰だったっけ?ほう、時代も進んだと驚いたのは1月のあるテレビ番組を視聴していた時だった。多種多様な生き方が認められる時代になったとはいえ、オネエ系キャラがマスコミ受けする一方では、偏見で職業や結婚ができない一般的なトランスジェンダーの苦悩も新聞などで報じられている。
世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家アイナー。
その彼を支え続けた妻・ゲルダが素晴らしい。夫が、もしかすると自分は女なのかもと思い始め服や下着、お化粧にとどまらず、真の女性になるために性別適合手術まで受けようとするまで向き合い、また彼の決意を尊重して、雄々しく励まし続けた。いつしか夫婦愛を超越して究極の愛と友情の絆で結ばれる関係性に到達していた。
あれだけ婚姻したお互いを深く尊重し思いやれるものなのだろうか。
ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞しているが、アイナー(リリー)を演じたエディ・レッドメインもさすがでした。
彼の涼しげで優しさに溢れた眼差しが忘れられません。