雨月物語

2015.11.29 16:39|

1953年作

やはり名作でした!
夢を追う(見る)男と質素でも堅実な生活を求める女たちの物語ー。
江戸時代後期に上田秋成が書いた原作を1953年に映画化は、私の生まれ年でもあります。
死霊・若狭姫を演じた京マチ子の怪しい魅力、田中絹代の母性、水戸光子のたくましい女の迫力は一見に値します 。
霧たちこめる琵琶湖に舟を漕ぐシーンは幻想的、舞台となる長浜の武家屋敷に夜が近づき、屋敷の侍女たちが通路や部屋に明かりを灯していく場面などは王朝絵巻物を観ているようでした。若狭の着ている織物の手触りや色彩が想像でき、白黒でも充分色彩が感じられるものなのだと発見です。
宮木(田中絹代)の現実的なシーンから、京マチ子演じる物の怪の世界が対比されるように描かれていますが、このふたつの情念が溶け合うような結末が用意されていました。
死んでも夫を待ち続けた宮木の亡霊は不憫でした。
原作にある一首は ”さりともと思ふ心にはかられて 世にもけふまで生ける命か”。(それにしても、夫がもうすぐ帰ってくるだろうと思う自分の心にだまされて、よくもまあ、今日まで生きてきたことです)。
憂いを抱えた表情で繕い物をしている宮木に比し、妻が待っていたと信じて寝入ってしまう源十郎。家族の元へと帰ると決心した源十郎に若狭が言います。「男にとっては一夜の過ちでも、女にとっては違うのだ」。迫力ありました、このセリフ!
子供(源市)を背負った宮木が野武士に襲われるシーンも見応え充分。
いつ刺されたか分からないぐらいの槍の一刺し。野武士は子供をおぶっている背までは届かないようにいちおう慮っています。
(野武士) おい、食らうものをくれ。のう。
(宮木) 無理です、そんな。
(野武士) おお、おお、あった。あった。
(宮木) これは、これは子どもの食べ物でございます。どうぞ、許してください。
(野武士) どけ。のけ。殿、殿ありました。
宮木がよろよろと倒れ込む向こう側に、彼女を刺した野武士たちが取り上げた食料を食っていました。同じカットの中で生と死を同時に見せるのはさすがです。
阿浜がレイプされるシーンは泥田に草履を残したまま。それで充分伝わります、現代のようにこと細かく撮るのは悪趣味と云うもの。
阿浜と藤兵衛夫婦が村へ戻り畑を耕す生活を再開することで希望も描かれていました。ラストで子供が母・宮木に手を合わせているシーンにも救いがありました。

撮影は『鍵』を撮影した宮川一夫です。ちょうど新聞で読んだばかりだったのでタイムリーでした。





コメント

Re: 書き忘れました!

> 引越しした後は、前のブログに「~へ引越しました」とリンクを張った記事をアップして、その他の記事はぜんぶ非公開にした方がいいですよ。
> でないと、ぐーぐる先生にこちらがコピーブログだと判断されて、検索結果に出なくなってしまう可能性があります。

重ね重ね貴重なアドバイスを本当にありがとう!
昨夜、ぐーぐる先生が怖くて、非公開にするためにそれぞれ1つづつ手作業して疲れました。
一括非公開が出来なかったのです。(面倒くさかった・・・)
私の記事は少なかったから良いものの、膨大なお引越しは眼精疲労が心配。

miriさんへ

>ラストで子供が母・宮木に手を合わせているシーンにも救いがありました。
> 良い映画でしたね~!
> 特にこのラストの感じが、こころにしみて
> 素晴らしい撮影だな~って思いました☆

そうですよね。

> 押しかけコメントで申し訳ありません。

とんでもありません。
早速コメントを下さって嬉しかったですよ。

> リンク先さまに追加させて頂きました。

ありがとうございます!
さすがに、几帳面なmiriさんですこと。

> お引っ越しされたばかりでお忙しいと思いますので
> このコメントへの返信はずっと後でけっこうです~。

やさしいお心遣いに甘えまして今日になってしまいました。

> 私はヤフーにはコメントできなかったので、今後本当に嬉しいです!
> たくさんお話しいたしましょうネ~♪

えっ、そうだったんですか!?
字数制限で?それとも書くことが不可能だったのかなぁ~??
これからはゆっくりお話しできそうですね。よろしくお願いいたします。 .

Re: こんばんは

> オシャレなテンプレートですね〜。雪の結晶が綺麗です。
> それと、お花にティンカーベルを発見しました!かわいい!

褒めて下さってありがとう!
宵乃さんから適切なアドバイスを頂き感謝しています。

> 「雨月物語」は私も感銘を受けた作品です。それまでドロドロしたホラーだと思ってたから、こんなに愛情が描かれた作品だと思わなくて。

私も小学校時代からずっと”幽霊物語”と思い込んでいて、読んだ記憶がかすかにありますが、きっと何も分かっていなかったんだと思いますよ。

> ホント、女優陣の演技の素晴らしさ、色彩まで伝わってくる映像も、さすが溝口監督って感じです。

やはり名作は観ておかねば~ですね。

〉同じカットの中で生と死を同時に見せるのはさすがです。
〉撮影は『鍵』を撮影した宮川一夫
> 記憶が薄れかけてますが、ハッとする構図とか多かったですよね。撮影は「鍵」と同じ方でしたか。

鍵の撮影はストップがあったりしてかなり前衛的で理解しがたかったのですが、こちらはすんなりと受け入れられました。
日本の映画界で右に出る者はいないと評されていました!

> TB送りましたので、お暇な時にでもトラックバック管理画面を見てみて下さいね〜。

TBは届いていないようです。それとも私が気づけないのか・・・

書き忘れました!

引越しした後は、前のブログに「~へ引越しました」とリンクを張った記事をアップして、その他の記事はぜんぶ非公開にした方がいいですよ。
でないと、ぐーぐる先生にこちらがコピーブログだと判断されて、検索結果に出なくなってしまう可能性があります。

お引っ越し、おめでとうございます☆

>ラストで子供が母・宮木に手を合わせているシーンにも救いがありました。

良い映画でしたね~!
特にこのラストの感じが、こころにしみて
素晴らしい撮影だな~って思いました☆

押しかけコメントで申し訳ありません。
リンク先さまに追加させて頂きました。

お引っ越しされたばかりでお忙しいと思いますので
このコメントへの返信はずっと後でけっこうです~。

私はヤフーにはコメントできなかったので、今後本当に嬉しいです!
たくさんお話しいたしましょうネ~♪


.

こんばんは

オシャレなテンプレートですね〜。雪の結晶が綺麗です。
それと、お花にティンカーベルを発見しました!かわいい!

「雨月物語」は私も感銘を受けた作品です。それまでドロドロしたホラーだと思ってたから、こんなに愛情が描かれた作品だと思わなくて。
ホント、女優陣の演技の素晴らしさ、色彩まで伝わってくる映像も、さすが溝口監督って感じです。

>同じカットの中で生と死を同時に見せるのはさすがです。
>撮影は『鍵』を撮影した宮川一夫

記憶が薄れかけてますが、ハッとする構図とか多かったですよね。撮影は「鍵」と同じ方でしたか。
再放送がある時はきっと見てみます。

TB送りましたので、お暇な時にでもトラックバック管理画面を見てみて下さいね〜。
これからもよろしくお願いします♪
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映画「雨月物語」観ました

製作:日本’53 監督:溝口健二 原作:上田秋成 ジャンル:★ドラマ/時代劇【あらすじ】戦国時代、戦に乗じて焼き物商売をする百姓・源十郎。すべては妻子にいい暮らしをさせるためだったが、町で美しい若狭姫と出逢い共に暮らし始めてしまう。一方、彼の商売を手伝っていた藤兵衛は、出世のため妻を残して戦に加わり…。雨月物語ってこんなに泣けるものだったんですね。以前これをもとにした何かの作品をみ...
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