いけちゃんとぼく

2013.08.03 10:28|

2009年 角川映画
 
いじめられっ子のヨシオのそばにはいつもヨシオにしか見えない謎のいきもの“いけちゃん”がいて、ヨシオのことを温かく見守っていた。しかし、そんなヨシオがたくましく青年へと成長していくと、いけちゃんは自分の正体をヨシオに伝えようとする。
 
ヨシオも悪くはなかったけれど、蒼井優のいけちゃんの声がなかったらこの映画はさほど心に響かなかったかもしれない・・・。この作品の見せ場を作る、いけちゃんがヨシオの晩年の恋人だったという設定はあまり好きではなかった。いけちゃんはヨシオが作ったもう一人の自分、つまり客観的な存在にして、ヨシオの成長物語にした方がすっきりしたのではないだろうか。
それを除けば、いじめに立ち向かっていくヨシオの行動は大人にも充分示唆を与えられると思う。ヨシオは、最初は目には目をで打開策を取る術をあれこれ模索していたが、「力で心は変えられない」という結論に達した。最後に野球の試合で決着をつけるという提案は大きく成長した証だ。自分をいじめてきたヤスとたけしの“力”も加え、急遽チームを編成するあたりは、賢くて逞しい大人顔負けの策士となったんだから!
父親の事故死で事態を理解できないヨシオに、いけちゃんがそっと寄り添い云う。「人より早く大人にならないといけない子供がいる」のだと。いけちゃんが諭した言葉は、かねてから私も考えていたことだったのでそのものずばりに驚いた。いけちゃんの言葉にヨシオは早く大人になろうと決心する。その日から毎日ごはんを三杯食べたり、牛乳屋の清じいに空手を教えてもらう姿はおかしくもあるがいじらしい。
ヨシオが父親の本当の死を確かめるために隣町まで出かける勇気に敬服させられた。現実を直視して母親と2人の生活を作っていくためのスタートとなり、違う世界を知り連鎖を断ち切るきっかけを作れたのだ。葬儀の際、母親に替わる機転の効いた挨拶は出来すぎでご愛嬌か?
夏休みに送る作品。ただし、冒頭にも書いたようにいけちゃんはヨシオの晩年の恋人としてではなくを望むところです。
 
 

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