ブログdeロードショー  野火

2015.09.23 09:02|


原作となる大岡昇平の『俘虜記』は、高校時代に現代国語教科書に載っていました。ジャングルをさまよっている「私」が遭遇した米兵を何故撃たなかったをめぐって考察してあったと思います。淡々として抑えたタッチが効いていた記憶が微かに残っています。映画を観終え、それはほんの巻頭部分でその後に壮絶な展開があったのを知り愕然となりました。
自らメガホンを取り、田村一等兵をも演じた塚本普也監督の熱意と魂が込められた作品でした。(詳しくは最後に添付した画像の右下+ボタンを押してもらえれば読めます)
人は極限に置かれたらどんな行動に出るのか。為人(ひととなり)の最高の勝負は戦下のもとで行われるのではないだろうか・・・。ジャングルの奥地を彷徨い食料に尽きた時、人は人肉を食むという行為に及んでしまった・・・。

当地で頑張っている単館が1000円で一週間の放映。平日鑑賞にもかかわらず、8割強の入りでした。本作へ対する関心の高さが伺われ、入り口には資料も何点か掲示されていました。




↑黒澤明と同じく絵コンテを用いてあった!



右下に合わせ現れた印を押せば大画面になります

原爆や戦争をかいくぐって生き延びた人たちが「何故自分は生かされたのかを考える時、後世に伝えよということで、私には伝える義務があるのだ」と述べます。定番のような言葉に、またかぁ~と不埒な感想しか抱こうとしなかった。しかし、本作を観て胸の裡に『伝える』ことの重要性が深く刻まれました。ラストで主人公の彼が命を縮める思いで原稿用紙に向かう姿や、食む時に食物に叩きつける奇妙なしぐさは、彼らが思い出したくもない過去を絞り出すようにして語る姿と重なります。
安保関連法が成立してしまった現在、闘いに行く人たちが似たような境遇に追い込まれない事を祈ります。
まだまだ書き尽くせない言葉がたくさん残っています。返信コメントで補っていくつもりです。


野火を観し恐怖に粟立つ両腕(りょうかいな)土を振るいて心鎮めむ

極限に置かれし者に悪鬼告ぐ「カニバリズムの選択あり」と

帰還後もレイテの野火に蝕まれ書かれし俘虜記平成に観る

(後に多少の修正あり)



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