かあちゃん

2013.05.30 15:54|

飢饉による不景気で貧窮生活を余儀なくされていた天保末期の江戸。とある貧乏長屋で5人の子供を育てる気丈夫な母おかつ。だがおかつの家では一家総出で働いてかなりの金を貯め込んでるという噂があった。ある夜、その噂を聞きつけた若い男・勇吉が泥棒に入るが、勇吉と出くわしたおかつは怯えることもなく、彼に金を貯めている理由を語った。それは長男の友人である源さんが、盗みの罪を償って牢から出てきた時のための支度金だったのだ。おかつの姿に我が身を恥じる勇吉だが、おかつはそんな勇吉を家に招き入れるのだった……。
 
岸恵子は最近「わりなき恋」(未読)を上梓し、女優だけでなく小説家としても片鱗を示し、持ってる人は持ってるんだと感心させられていた。原作が好きな山本周五郎で脚本も和田夏十だ(竹山洋氏と連名)!2年前に「市川崑物語」を観た以来、市川崑と和田夏十のコンビで撮られた映画を是非観たいと願っていた。(もう一つのブログに感想を書いています。良かったらどうぞ→http://blog.goo.ne.jp/33bamboo/e/b7e15e38bde653601f6f2743518629d6
やっと夢が叶いました!
時代物なのにOPとエンドロールに流れる現代的な音楽が織り成す不思議な世界観にたっぷりと浸った時間でした。
 

源さんの仕度金を家族で稼ぐという話は始まりにすぎず、江戸っ子人情をからませた気持ちの良い展開が待っていた。
ラスト近くおかつが勇吉を親身になって世話をした理由が、子供たちによって明かされる。「実はかあちゃんは耳に黒子(ほくろ)がある男に弱いのだ。亡き父ちゃんがそうだったから・・・」。真実はどうであれ、このエピソードが効いていた。おかつが誰にでも親切というのは当たり前だが、惚れた男と同じ場所に黒子があったからというのは、出来すぎた話を人間味のある話に膨らませ好感を持てる。それを聞き勇吉はおかつにやっと心を開き「かあちゃん」と呼んだ。
私と妹、次男の左頬にも父から譲り受けた大きな黒子がある。(蝿が留まっていると間違えられ、叩かれれそうになることも・・・)。父の3回忌で、父方の親戚の伯父や伯母の頬にもあるのを気付き驚いた経験があるのでいっそう親しみを持ったのかもしれない。
勇吉が真実を告げた時、おさんが勇吉をかばっていうセリフも良かった。「2、3日前に知った勇吉さんより、昔からずっと一緒に住んでいるかあちゃんの話の方を私は信じる」と、とりあわなかった。
こういったセリフ回しにぐっと心を掴まれる。
好きだなぁ、こんなストーリー!原作を読むつもりです。
小沢正一はさすがの名演技(拍手)!
 

コメント

非公開コメント

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

しずく

Author:しずく
「いらっしゃいませ」
映画や本などの気ままな感想を残す備忘録に!
コメント歓迎いたします

最新記事

検索フォーム

カテゴリ

最新コメント

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる