コーヒーもう一杯

2013.04.23 15:33|

結婚するつもりだった恋人にふられ、会社では大失敗。人生のピンチに陥った32歳の未紀は、勢いでカフェを開くことになった。経験もスキルもなし、地道に働いて貯めたお金を全部はたき、借金までして資金繰りに奔走。食品衛生責任者の養成講習会を受け、物件を探して改装し、食器や椅子や備品を集めて、メニュー作り。次々難題を片づけて、なんとかオープンしたけれど…。
 
通常サクセスストーリに終わるのが定番なのに、主人公が廃業を決意するまでの話しです。しかし、ただの閉店ではなく、未紀は「ママ・カフェ」の仲間と知り合い次なる夢を追いかけてのエンドでした。
「失敗したからってそれが何?経験値が増えて語り草も出来て人生が豊かになる。それのどこが悪いの」「失敗したくなければ何もしないに限るのよ。失敗する確立が高くてもやらなかったら、成功する可能性も捨てることになる」
未紀が励まされたことばに私も共感。
あれこれやりたいことが多すぎて的をしぼれずに中途半端に転がりながら生きている自分をどうしようもない奴だと自己嫌悪していただけに、光明を見た思いで救われました。
夫に先立たれた母と伯母さんが「守りの人生をやってきた私たちだから」と、未紀の背中を押し、人生の先輩と貫禄を感じました。果たして私にはそういえる度胸はない・・・。無担保で融資してくれた伯母さんにきっちり返済する辺りは心憎い。料理の腕やスキルを持っていても店をつぶしてしまった同業者が見せる火花、一方で彼女にアドバイスしてくれる複雑な心境などキレイゴトで済まさない点が人間臭くて好きでした。
ひなたカフェ(未紀のお店)の壁を飾っていたノーマン・ロックウェルのポスターは、きっとこれだったのでしょう。サイトで探したらヒットしました。本のタイトルはボブ・ディランの歌「コーヒーもう一杯」から。もともとの意味は「one for the road」(別れを惜しんで一杯)。旅の無事を祈る一杯という慣用句をボブ・ディランがもじったらしい。日本にも似たような慣用句がありますよね。出かける前に「まあ、一杯お茶を飲んで行きなさい」。(ニュアンスは微妙に違うけど)国は変われど何処も同じだと思えばあったかい。  
 

 
 
 
 

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