「チャンプ」 TJは・・・

2012.10.30 15:36|
お涙頂戴にもっていこうとする演出が、大人顔負けの外連味たっぷりなTJの演技に重なり、残念ながら最後まで好きにはなれませんでした。観終えた後、最近読んだ本の中の「両親が不仲な子供ほど早く成長し大人になる」という一文を思い出します。子供の貯めたお金を賭けに使ったり、酒代に費やしたりと何とも救われない男親のビリーです。「僕はどうしたらいい?」と出て行った妻をなじりながら、未だ妻の愛情にすがろうとする場面には、どうしようもない奴だと愛想を尽かしてしまった私です。ボクサーでありながら自分で立つ気概が感じられないビリーは子供でした。息子を育てているというより、息子に甘えているようにしか見えない・・・。
TJがパパと呼ばずに“チャンプ”と呼び、再びチャンピオンの座に返り咲く日を待っているのは分かりますが、不安な身体の不調を押してまで闘う試合ではなかったように思えました。死んでしまったら、ビリーを好きなTJが一番悲しむことになるぐらいどうして分からないのかよ!昔の栄光など捨てて地道に働く方法を選ぼうとしなかったのか・・・。
賢いTJは実際にリングの傍で試合を見て、拳闘が思い描くほどきれいごとではなく過酷なものであるかを知ったはずです。父親が真っ当な職に就かず、浮き沈みの賭博で2人が生活し続けられて来たこと自体、奇跡に近かったと思わざる得ません。
母親だってそうです。
大人の身勝手な都合で翻弄されたTJが不憫でたまりませんでした。
 
 

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