荻原浩著「ひまわり事件」

2012.10.09 15:54|

老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」はお隣同士。妻を亡くし「苑」に入居した益子誠次は子供嫌いだったが、物の道理を教えるためあえて幼稚園児と一緒にひまわりの種を植えた。経営が同じ「苑」と「園」には実はさまざまな不正の疑いがあるが、老人と子供たちは非力ゆえになかなか糾(ただ)すことができない。しかしある日、訳ありの「苑」の入居者・片岡さんがとうとう決起、誠次と子供たちと一緒にバリケード封鎖を敢行する。
老人組みの誠次と寿司辰、認知症気味のおトキ婆、磨須子さんは完全なアルツハイマー患者、幼児組みは晴也に伊梨亜、秀平と和樹らはすべて問題児。てんでばらばらのはみだし者をくっ付けたのは、元学生運動家で未だに心に深い傷を負う比較的若い片岡だった。
弱者と思われている老人と幼稚園児に反旗を翻えさせたのはやはり荻原ワールード。老人ホームのごまかし経営などあり得ない話しではない。これから自分の行く末を見るようでつらい所もあるが、しゃきっとしていないと丸め込まれるぞと警告を受けたのだろう。
先日、久しぶりに会った友人が、母親が認知症で今年の3月から一緒に暮らしていると言っていた。一時はうつ状態だったご主人も仕事に復帰したとさらりと話すところが彼女らしい。「結構一緒に生活できるもんよ」という言葉に、母だけでなく自分も含めて前向きになれた。
 
バリケード事件から月日が流れ、幼稚園組みがまたひまわりの種を植えようと集まったところから始まっている。
 

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