美しい夏キリシマ

2012.08.22 17:04|
一年間前倒しして観た映画です。霧島は宮崎と鹿児島県の県境に位置し、セリフも私の故郷である鹿児島の訛りが色濃くありました。どの場面も美しい霧島連峰を背景に、終戦近いリアルな日常が撮られている反戦映画だと思います。昔ベストセラーとなった小説「少年H」も戦時中の日常を淡々と書いていますが、まったく違う味わいです。グラマンが霧島連山をかすめていく場面は良く登っている山だけに、そういう時代もあったのかと胸が熱くなりました。おそらく黒木監督自らの体験を基に撮られていたのでしょう。出演者では左時枝扮する祖母が薩摩おごじょそのままで、原田芳雄も封建的な祖父を見事に演じていると思います。
でも、肝心の主役康夫を演じる榎本佑君の友人を見捨てて死なせてしまったという苦悩が、私にはあまり伝わってこなかった。前半は彼の肩の力を抜いた演技はとても自然で好かったのですが、後半彼が変わっていく様、突如アメリカの兵士たちに竹やりで向かっていくシーンなど変化がもっと欲しかった。
盛りだくさんのエピソードのため、登場人物が多く1つ1つが尻切れトンボになってしまったのは残念です。戦争未亡人(石田えり)のもとに通う兵隊(香川照之)の話、康夫の家の使用人はる(中島ひろ子)が嫁いだ傷痍軍人の秀行(寺島進)、叔母(牧瀬里穂)の特攻隊員との逢瀬、沖縄から移り住んだ旧友の妹との会話など次々に畳み掛けられ、観客の感情が追いつかなく途切れてしまうのがもったいない。
もっと絞り込んだら観る者に迫った気がします。
終戦間近の日常を淡々と描いた視点が良かっただけに惜しまれます。
 
 
 

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