安田 依央 著「たぶらかし」

2012.07.29 06:07|
「終活ファッションショー」を読み、著者の異彩な経歴と描くテーマに興味を覚え、すばる新人賞を受賞したデビュー作を図書館に予約した。
デビュー作の本作も主人公のマキが市井の人々の中で誰かの「代役」を演ずるという設定だった。以前マキは小劇場などでチト名前の知られていた39歳の役者だったが、役者稼業に少々疲れ気味。そんな中、誰かの「代役」になるのが仕事という募集の張り紙を目にした。ワケあり葬儀での死体役、多忙なセレブ社長の子息の母親役、夫の親戚との付き合いを厭う花嫁並びに新妻役、多岐な役柄をこなすマキだった。依頼人たちの身勝手さに苛立ちながらも、プロとして淡々と仕事をこなしているある日、ニセの依頼をしてきた謎の男・モンゾウに出会う。そして無理やり弟子入りされて…。 

アイデアや構成は面白いのに、ねらってしているのだろうが言葉遣いが流れているのがもったいないような気がした。
印象に残ったのはクリスマスツリーのようにじゃらじゃらした装身具を見につけたモンゾウがもらした言葉。
「俺さあ、家族ってみんなが努力しないと家族になれないと思うんすよ」「元は半分他人の集まりだから、家族になる努力を止めてしまったらウチみたいにダメになる。そのためにクリスマスがあるんじゃないかと思うんだよね」。イベント事は絆を深めるチャンスじゃないかと云っているのだ。
私はどちらかといえば、家族を持つまでは、心のこもらないイベント事は無い方がましと反発してきた方だ。合理的な実家の方針がかなり影響している。しかし子供が生まれてからは、実家の教えを反面教師とし家族を最優先してきた。
ちゃらちゃらした若造のモンゾウが 云ったことに大きな意義があるように思える。
イベント事を軽んじるなかれ(ただし振り回されるのも危険!)。
 

 
先日ゴビンダ氏冤罪で釈放された東電OL殺人事件。佐野眞一氏がルポで追い続けた2000年に出版したノンフィクションを読んでいる最中です。彼女が何故高収入を得ていながら夜の街に立ち続けたのかを知りたくて・・・。 

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