恋するトマト

2012.06.21 11:46|

タイトルの「恋するトマト」とはとても似つかわしくない中年男性が主人公だったが、演じるのが生真面目さとコミカルさを両方あわせ持つ大地康雄だから許してあげようかな。恋するトマトとは正男自身で、彼が恋して止まなかったのはクリスティナと忘れようにも忘れられなかった土のぬくもりだろう。
蓮の花咲く美しいフィリピンの農村風景をバックに、中年男性のかっこ悪く一途な恋に胸を打たれた。
正男がフィリピン人女性に結婚詐欺をされ、2百万円相当のお金まで彼女の家族に騙し取られた場面では気の毒で、この人はいったい立ち上がれるのだろうかと心底心配した。路頭に彷徨い、結局彼はやくざ紛いの“芸能プロダクション”に行きつく。芸能プロダクションと称しながら、フィリピン人女性を日本へ送ったり、日本からやって来る買春ツアーの中高年男性にフィリピン人女性を斡旋したりする仕事だった。実入りもいい仕事に違いないが、どこかに騙された仕返しをしている気持ちもなかっただろうか。彼は自分が騙された仕事をやる側にまわったのだから、正男の複雑な気持ちを思いやることができる。
子供のような若い娘を買う男も胸糞悪いが、承知で娘を売り物にする親も親だろう。しかし、正男がこの仕事を生業とした設定は、現実を捉え綺麗事に終わらせていないという意味で良かったと思う。正男はクリスティナにその仕事を言い出せないぐらい恥じていたし、真実を知らされた時クリスティナは彼を許せないと激しく拒否をした。その正反対のところに土と水と太陽の恵みで大地を耕す農業があったということだろう。
彼が稲穂の実る田んぼとそれを刈っている姿を見て、いても立ってもいられずに手伝うシーンには心揺さぶられました。
 

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