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有川浩著「シアター」

2012.02.07 11:29|
小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが・・・
 
高校、大学と演劇部に籍を置いていた私だから、劇団員フラッグの仲間達の気持ちが分かるなぁと共感しながら読み終えた。
司に叱られても仕方ないかも・・・。今でも分かるよ、この気持ち。

劇団員にしても、バンドを組んでいる連中も同じだろうが、彼らにとって公演でペイできなくてもあまり問題じゃない。好きな演劇がやれればそれで十分なのだ。生計はアルバイトで何とか凌げればいいんだから。
そこに司が切り込んだ。「シアターフラッグに足りないのは才能ではない。経済感覚と社会的なスキルである。学生からそのまま演劇の道に入り込んだために経理や事務的手続きをなおざりにしてしてしまっている。いつまでたっても持ち出しが当たり前という意識から抜け出せない」「金って一番裏切らない価値観なんだよ。義理や人情で物の値段は決まらない。俺の値段は給料だし君らにはギャラなんだ」
はい、まったくその通りです。この感覚から抜け出すのに結構長くかかった私なので、大きな顔はできませぬ・・・。司の同僚で登場する昔演劇青年に近いかも。
司は決して金一辺倒の人種ではないから嫌みには聞えないだよなぁ。魅力がある30歳前半の頼もしい男。過去の公演の収支決済を参考に、削るべき箇所を削れと、憎まれ役を買いながらも的確な指示を与え続ける。
アンケートに「演劇を見慣れていない人でも気軽に楽しめる分かりやすい舞台がとても好きです」の感想が多いのを読み、シアターフラッグが軽快さを持ち味に充分売り込めるはずだとも思っている。そして、軽快という価値観は最後の最後にどうしても瑕疵になるのだろうかと、演劇界に疑問をもぶつけてくれた。
これって、文芸や映画などにも良く見られる傾向だから共感した。エンタメは格下で玄人好みの作品が重厚な作品だと思われる節が日本には多い・・・。暗くてどろどろ物が某候補に上がり持てはやされる。
 
牧子はさすがに劇団の看板女優だった。
立場的には主役をプロ声優・羽田千歳にとって替わられたのに、彼女なりのプライドで巧や千歳に対峙している。
続編では、巧が劇団の主宰として自覚し更に変わっていく姿を期待している。図書館に予約中です。
 
※「掃きだめトレジャー」の舞台がイマイチ伝わらなかったのは惜しい。有川さんの本は今まで全然駄目で、初めて出会えたような著書でした。
 
 

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