バチカンで逢いましょう

2015.07.22 15:35|



「夫を亡くした主人公が、娘たちとの同居も老人ホームへ行くのも拒否し、ローマ法王に会うためにたった一人でバチカンに向かう」

そんなフレーズに敬虔なカトリック信者の話だろうと勝手に想像し、観たいという気にはとてもならなかった。でもねぇー、かの『バグダッド・カフェ』のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが主演してるのだから何か一味違うはず。
全編でマルガリーテは親しみを込め誰からも「オマ」(おばあちゃん)と呼ばれている。一般的に欧米映画などでは、「おばあちゃん」より固有名詞で呼ばれる方が多く、素敵だと感じていただけに戸惑った。でも、ハングルのオモニをイメージするような東洋的な響きが不思議に快い。
ドイツ気質は厳格で、対するイタリアは愛ですべてを許すといわれるほどの文化の違いがあると考えていたのは浅はかだった。そんなのは個性の前ではひとたまりもないのかもしれない
マルガリータはドイツのバイエルンからカナダへ移民し、娘と孫娘へと彼女のパワーは受けつがれているようだ。底辺に流れているこのパワーこそが映画の源だろう。
マルガリーテは敬虔なカトリック信者には許されない一夜の過ちで、ダンナ以外との男性との間に子を成してしまった。それが一粒種の娘なのだ。家族にずっと黙ったまま封印してきた秘密を、教皇に逢い懺悔するのが目的だった。
な・の・に悲壮感が漂わないハートウォーミングな物語となっているのは、祖母、娘、孫娘3人のスピリッツ。同棲中の恋人に裏切られた孫娘・マルティナが「私はあなた一人に人生をかける勇気を持っていた」というセリフで撃退するのは、なるほどそれも勇気と呼ぶのかと思ってしまった(笑)。
人生を楽しむ映画なのだ。「その気になればあなたにだって出来るよ」と背中を押してもらえると、心弾む日々が当分持つというもの。


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