今更ながら自転車泥棒

2016.01.17 14:31|映画
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1948年公開のイタリア映画

イタリア・ネオレアリズム作品・第2弾として、名前だけは聞いたことがある『自転車泥棒』を選びました。観る前までは旧ーいお涙頂戴ものと勘違いしていたのでかなり不安。ところが観始めてぐいぐい引っ張られていき、「面白い!」で終わっていました。
ラストスパートのように、息子が気になる父親の揺れ動く気持ち、そして明日から家族を養うためにした決断が描き出されていきます。きれいごとですまさなかったラストにネオレアリズムを強く感じずにはいられませんでした。
盗まれた自転車を取り戻そうとアントニオとブルーノ親子は手を尽くします。犯人とおぼしき男を探せても取り返せない、馬鹿にしていた占いまでやるほど追い込まれた父親。ブルーノは父親との自転車探しで長い人生の甘辛、厳しさを思い知ったでしょうね。一緒に探して理不尽さも味わったのですから、一方的に父を蔑むことはないだろうと信じます。
戦後の失業した社会、街並み、人々の様子がドキュメンタリータッチでリアルに迫っていると感じたのは、素人を起用してあったのですね。『父親役のランベルト・マジョラーニは失業した電気工、子役のエンツォ・スタヨーラは監督が街で見つけ出した子供である』と、映画を観終わって知り納得がいきます。
2年間職に職に就けなかった父親に仕事が見つかり、シーツを売り払って質屋に入れて置いた自転車をとりもどし、子供のブルーノもともに一家で喜ぶ冒頭シーンは、現在失われている『家族』を思い起こさせるようで好きなシーンでした。
盗まれた自転車一台で、戦争の悲惨さ、社会の不条理を悲喜交々に語ってくれるストーリーはさすがでした。
味わい深いネオレアリズム作品に堪能しています。後3作品の返却日が間近~、先を急がなくっちゃ!


コメント

Re: タイトルなし

> こんにちは。

いらっしゃいませ、ポールさん。今回お題をありがとうございました。

> この映画、どちらかといえば二度目に見るときの方が心にぐさぐさ来ますね(^^;)
> 親子の取るすべての努力が水泡に帰すことがわかってるんですから、見ていてとてもつらい。

そうですよね。観ていて何となく予想はつきますが実際そうなると分かっているとつらいでしょうね。

> よく日本で、「軽い気持ちで万引きをした」とか、「戦後の混乱期には泥棒でも略奪でも何でもやって生きてきた」とかいう話を、どこか得意げにしている人がいますが、現実は、自転車をひとつ盗まれただけでここまで絶望的な状況になってしまう家族がいるわけですから、やはり人間としてやっちゃいかんことはやっちゃいかんのだ、と思わされた映画でした。

実は、息子が大学時代に自転車の2台目を盗まれた時に同じ行動を取ったようです(笑)。
息子は県外に出ていたので、後から知った話ですが、どんなふうなリアクションを私がしたのか全く覚えていない・・・。
それぐらい、最近では自転車を盗まれても鈍感になっている情けない世の中です。

> しかしブルーノくん、けなげだったなあ……。

健気の表現はピッタリ!

こんにちは。

この映画、どちらかといえば二度目に見るときの方が心にぐさぐさ来ますね(^^;)

親子の取るすべての努力が水泡に帰すことがわかってるんですから、見ていてとてもつらい。

よく日本で、「軽い気持ちで万引きをした」とか、「戦後の混乱期には泥棒でも略奪でも何でもやって生きてきた」とかいう話を、どこか得意げにしている人がいますが、現実は、自転車をひとつ盗まれただけでここまで絶望的な状況になってしまう家族がいるわけですから、やはり人間としてやっちゃいかんことはやっちゃいかんのだ、と思わされた映画でした。

しかしブルーノくん、けなげだったなあ……。

こんにちは。

もちろん、以心伝心でございます。 ピピピ、ドン、ガラ、ガッシャン!と。

そう、赤ん坊もいましたね!
家族で今からの生活を思い浮かべていたでしょうに。
でも家庭は崩壊していませんし、父と息子の絆もより一層強くなったのではないかと思います。

川に落ちた子…のシーンもいったいブルーノどうしたんだ!
と恐ろしくなりましたよ。

トラックバックは大丈夫。
届いてましたよ♪ありがとうございました。(^^)/

Re: こんばんは。

白くじらさんいらっしゃいませ!
先日白くじらさんのレビューを読んで、今からそちらへコメントしようとパソコンを開きましたら・・・。
コメントを頂いていてびっくりしました。以心伝心だったのでしょうかw?

> 私も今回の企画で初めて「自転車泥棒」を観ました。
> 名前だけは知っていたものの、これほど重い話だったとは…。

たぶん私は白くじらさん以上に重く想像し、ダサい映画だと思い込んでいました(いつも勝手にでイケません)。
だから、結構意外と明るかったと受け止められました。

> 冒頭で質屋から自転車を取り戻した時の喜びの顔、顔、顔が忘れられません。
> そんな次の日に盗まれてしまうとは。(>_<)

本当に家全体が明るくなり、ぱっと顔が輝き、夫婦二人で相乗りするシーンは喜びが満ち溢れていました。
赤ん坊もいましたし・・・。

> ここからラストまでやるせなさが続きますが、目が離せませんでした。

そうでした・・・。解体されたかもしれない自転車を探しに行くシーンなぞ、見つかって欲しいとお祈りしながら観ていた私です。「川に落ちた子供がいる」と聞いた時など、アントニオの走る足がもつれそうでした。親心がひしひしと伝わって来る映画でした。

> ラストで息子ブルーノがアントニオの手を取った時に、光がさしたような気がします。

ブルーノは長男なのか大人っぽくて、それでいて子供らしい一面も映画には描かれてあって良かったです。

> トラックバックさせて頂きました。

私もTBしたいのですが、なかなか上手く着地してくれないので、そちらに届いたか心配です。

こんばんは。

私も今回の企画で初めて「自転車泥棒」を観ました。
名前だけは知っていたものの、これほど重い話だったとは…。

冒頭で質屋から自転車を取り戻した時の喜びの顔、顔、顔が忘れられません。
そんな次の日に盗まれてしまうとは。(>_<)
ここからラストまでやるせなさが続きますが、目が離せませんでした。
でもラストで息子ブルーノがアントニオの手を取った時に、光がさしたような気がします。

トラックバックさせて頂きました。

Re: こんばんは!

> 忘れがたい作品ですよね。一度しか観てませんが、あのお父さんの必死な姿、追い詰められた時の表情、息子の眼差しが今でも目に浮かびます。
> やりきれない出来事だけど、家族、とくに息子と一緒に辛い時期も乗り越えていけると信じられるところが好きです。

いつもながら、コメントをありがとうございます。
ブログで~をきっかけに、今までチャンスがなかった名作を鑑賞できて本当に良かったと思います。
お父さんのアントニオ役、素人とは云えイケメンさんでしたし演技も悪くはありませんでした。
子役の彼にしたって、上手に演じていましたよね。
やはり監督の腕がものをいう世界なのでしょうか?!

> どこかで本当に起こった事のように真実味がありましたね。作品に必要な人間を見つけ出すのも監督の才能でしょうか。当時のイタリアをそのまま切り取ったような作品でした。

本当に、敗戦後の社会がありありと描き出されていました!
イタリアではサッカーが国技なのだと理解できました。
生活が安定していない戦後の混乱期に、サッカーに人々が興じ話題にしていました。
アントニオが最後に自転車を盗んだのもサッカースタジアム付近ででした。たぶん、自分が困窮しているのに試合に興じている彼らが羨ましかったのでしょう・・・。
『高い城の男』をご存知ですか?
もし第2次世界大戦で枢軸国側が勝っていたらという設定のパラレル・ワールドを舞台にしたP.K.ディックのSFです。先日ラジオで絶賛されていて、図書館で借りましたが、閉架書庫にあった文庫本で読むには字も小さく汚れも目立ちギブアップ。
アメリカではドラマ化されていて日本でも観られるはずなんだけど・・・ね。

こんばんは!

忘れがたい作品ですよね。一度しか観てませんが、あのお父さんの必死な姿、追い詰められた時の表情、息子の眼差しが今でも目に浮かびます。
やりきれない出来事だけど、家族、とくに息子と一緒に辛い時期も乗り越えていけると信じられるところが好きです。

>人々の様子がドキュメンタリータッチでリアルに迫っていると感じたのは、素人を起用してあったのですね。

どこかで本当に起こった事のように真実味がありましたね。作品に必要な人間を見つけ出すのも監督の才能でしょうか。当時のイタリアをそのまま切り取ったような作品でした。

2作品目もご参加ありがとうございます♪
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自転車泥棒

生きる手段とは…。 1948年(LADRO DI BICICLETTE)製作国:イタリア監督:ヴィットリオ・デ・シーカ原作:ルイジ・バルトリーニ製作:ヴィットリオ・デ・シーカ、ジュゼッペ・アマト製作総指揮:脚本:チェーザレ・ザヴァッティーニ、オレステ・ビアンコリ、スーゾ・チェッ…
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