イミテーション・ゲーム  エニグマと天才数学者の秘密

2016.02.05 10:56|映画
イミテーションゲーム

監督モルテン・ティルドゥム
原題 The Imitation Game
脚本家のグレアム・ムーアがアカデミー賞脚色賞
2014年 イギリス・アメリカ合作

映画の時代設定は奇しくもまた第2次世界大戦前後の頃でした。ドイツ軍と戦ったイギリスで、50年も隠蔽されていた実話がベースとなっています。戦争は武器だけでなく偏見と云う差別でも命を奪っていたという事実は衝撃です。

「ネタバレあります」

「エニグマ」とは、第二次世界大戦でドイツが作戦連絡する際、作戦を暗号化するため生み出した機械。イギリスは毎日膨大なドイツの暗号を傍受していますが読み解くことができない。戦況は圧倒的にヒットラー優勢でした。
イギリスは、暗号を読み解くために専門家たちを呼び寄せエニグマを解読するチームを作ります。その中で異色な存在感を放ったのが数学博士・アラン・チューリングでした。彼は人間関係を築くのが不得手で不器用なのが過去にさかのぼり明かされていきます。今でいう自閉症気味かなと思いながら観ていましたが、それだけではなさそう・・・。高慢な奴と仲間たちに誤解され、暗号をゲーム感覚で捉えて孤立しながら作業に没頭していきます。しかし、やがて彼は解読できるマシーンを作りだします。仲間からも理解され初め、チームは一丸となりエニグマ解読に成功しますが、暗号を解読するのみでなく人命を救い早い戦争終結へと、目的が大きく変化していきます。

アランが作ったこのマシーンがコンピューターの元祖だったのは驚きでした。彼の学術的功績はコンピュータ時代となってさらに重要視されているとも。
もう一つ見逃せないのは、何故50年もの長い間、この事実が隠ぺいされてきたのか!それはアランがホモセクシュアルだったからでした。イギリスでは1967年代までホモセクシャルは犯罪でした。世界大戦下に嘘の告発をされ投獄された人々が数万いたとも云われているのですから驚きです。
映画のラストで、彼はホモセクシャルを認めて犯罪者になり牢にはいるか、それともホルモン剤を飲んで治療をするかのどちらかの選択を迫られます。アランは研究を続けたいためにホルモン剤を服用し、最終的に自殺することになります。
(2009年に英国首相ゴードン・ブラウンが正式に謝罪したことで彼の名誉は回復)
ホルモン投与ですって!?何て無知だったのでしょう、
今でこそ、彼らを守る法律制定の国が現れましたが、差別と偏見は彼らの前にはまだまだ立ちふさがっているはず。

「SHERLOCK シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチの素晴らしい演技が本作を更に盛り立てていました。

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Re: タイトルなし

鉦鼓亭さん、いらっしゃいませ!

本作を観てもらっていて嬉しいです。
私の中ではかなりの高得点をたたきだしました。

> 僕も彼の業績を知らなかったから吃驚しました。

大戦には我々の知らない秘められた出来事がまだまだたくさん眠っているのではと思わされる作品でした。

> 相棒役のジョーン・クラーク(K・ナイトレイ)も只者じゃなく、彼女の、その後の業績も凄いです。
> ケンブリッジだかオクスフォードだったか、首席なのに「女」という理由で除外されてしまったとか。

才女の彼女でも、アランが彼女を思うが故についた嘘を理解してもらえなかったのは切なかったです。

> 仰るとおりベネディクト・カンバーバッチは実在した当人を見てるみたいで、凄く良かったです。

彼が出演した「つぐない」「ブーリン家の姉妹」「ホビット」など印象に残る映画なのに、「シャーロック・ホームズ」でしか彼を思い出せないのは不思議なぐらい!


> A・チューリング>映画だから彼の「犯罪歴」は無かった事にされてるし、当時、イギリスの戦争勝利の為に絶対必要な人物だから重罪にも「目を瞑った」、彼の業績を否定も過小評価もしませんが、天才には「闇」が付きものなんだなァとは思いました。

「犯罪歴がない」とは意味がわかりかねますが・・・
犯罪歴とはホモセクシャルの事ですよね。私は映画の中でも彼はホモセクシャルと明らかに描いてあると理解しています。
だからこそホモセクシャルに対する差別と偏見が、彼の業績を無きものにしようとしたんじゃなくて?


 しずくさん、こんばんは

僕も彼の業績を知らなかったから吃驚しました。
(ついでに、昔、ハラハラドキドキして見た「史上最大の作戦」や「バルジ大作戦」が拍子抜けしました(笑))
相棒役のジョーン・クラーク(K・ナイトレイ)も只者じゃなく、彼女の、その後の業績も凄いです。
ケンブリッジだかオクスフォードだったか、首席なのに「女」という理由で除外されてしまったとか。
映画を観てる時は「陰謀の陰に女あり」だから、「何時、裏切るのか」と疑惑の目を向けてました。(笑~チャーミングだし)
仰るとおりベネディクト・カンバーバッチは実在した当人を見てるみたいで、凄く良かったです。

A・チューリング>映画だから彼の「犯罪歴」は無かった事にされてるし、当時、イギリスの戦争勝利の為に絶対必要な人物だから重罪にも「目を瞑った」、彼の業績を否定も過小評価もしませんが、天才には「闇」が付きものなんだなァとは思いました。
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