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ブログdeロードショー 哀調を帯びた旋律にのせて映画「ふたり」

2016.02.22 15:34|映画


千津子と実加は仲のいい姉妹だったが、ある日、姉の千津子が事故で死んでしまう。ショックを受ける実加の前に、幽霊となった千津子が現れる。以来、千津子の励ましによって、実加は様々な苦境を乗り越えていく……。



主題歌『草の想い』の美しい旋律が幾度か流れ、幻想的な世界観をさらに演出していました。尾道の町並みや景色に既視感を覚えるのは、私が海辺の街・長崎に住んでいるからでしょう。親近感を持つほど、街並みの切取られたアングルは本当に似ていました。
最初は、石田ひかりのほわっとする間延びしたようなセリフ回しにとまどいましたが、慣れてくると、そのミステリアス感が幽霊となって現れる千津子とぴったり重なっていくから不思議です。美加の家族の住まう雰囲気もどことなく大島弓子の漫画を思わせるタッチで現実離れしたような描き方でした。母親を演じている富司純子は頼りげなく娘を亡くした精神的ショックから立ち直れていませんが匂いたつような美しさ。父親・岸部一徳の若いお父さん。姉役の千津子(中嶋朋子)が、少女期から今抜け出たばかりの初々しい美加を見守るように包んでいます。美加のクラスメートたち、親友の真子、哲也といとこにあたる万里子のエピソードなど、少女から大人へと成長する女子たちの細やかな襞も描かれ魅せています。
『ふたり』は姉の事故死のあと、姉が妹の内部にすみついて妹の成長を助けて生きてゆく物語。姉が消えてゆくのは、姉が妹の年齢まで生きて、姉が直面することのなかった問題を自分で切り抜けていけるようになった時。
「どこか遠くに行きたい」といつも願っていた千津子の心情が痛いほど伝わって来ました。私も7歳離れた妹がいますが、長女って妙に両親へ遠慮してわがままを言えないのです。このままだったら本当の自分を出せないと、早く親元から 出ていこうとしていた若い頃を思い出しました。どうして、妹は母や父に対して素直に怒ったり泣いたりできるのだろうと羨ましかった・・・。妹は現在実家の裏庭に家を建てて住んでいる)。心配な実加のことを相談に来た母・治子に対し、担任の先生が、「実加は問題無い」とした上で「千津子さんはしっかり者だがまだ子供なので気をつけてあげてください」と助言するシーンがありました。自身が子育てする時にも、長男に目をかけることを忘れなかったのは、自身の体験からです。
ラストシーン近く、(亡くなった千津子の恋人だった哲也だったが)美加の恋人となった哲也に仕事で離れるから「僕と一緒に来ないか」と誘われます。でも美加は「私は行かない。だって行かなくても想像の世界でどこへでもいけるから」という意味合いの言葉を告げます。勿論、美加は姉・千津子のことを小説に書くつもりなのですが、私には、どこにいても自分を出せるたくましさを持ち合わせている美加が感じられました。

坂道を上がってくる実加。
事故の原因になったトラック運転手が花を持って、千津子の死んだ場所にやってくる。
そして画面が切り替わり、後姿になったのは…実加ではなく千津子で終わるラストシーンに「草の想い」が流れてきます。

コメント

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Re: どこかで見かけたタイトル

> 未見ですが、とても雰囲気のありそうな作品ですよね。そういえばファンタジー映画で邦画はぜんぜん思い浮かばなかったことに気付きました(汗)

宵乃さんが未見なんて珍しいこと!
あなたの感想を伺いたいので、機会があれば是非ご覧くださいね。
私はきみやすさんのブログで、以前のファンタジー企画で取り上げてあり観ました。
私には日本のファンタジーはホラーっぽいイメージがあります。

> 身近な街並に似た雰囲気の風景がみられると、一気に親近感湧きますよね。

確かに、小説だってそうですもの!
漂っている空気感がじかに伝わって来るから強い。
勿論風景は似ていても、大林監督の故郷でもある舞台となった尾道は穏やかな瀬戸内海に面していました。
長崎は大陸へ続く外洋ってとこで大きい違いもあるのですが・・・。

リクエストは今年いっぱい予定が立って良かったです。
私も年末から候補作に決めた作品がありましたが遠慮致します。

Re: タイトルなし

> 素晴らしい記事で何度も、首肯することしきりでした。

それは、ちょっとほめ過ぎというもの・・・(;´・ω・)
受ける視点を、ただ私が違った方向から眺めただけの話じゃありませんか?

> 自分も「どこかへ行きたい」と思っていたのですが
> 次男坊だったので、出来の良い兄と元気な弟の間で(それなりに仲が良い方だと思うのですが)“どこか”に行きたいとは強く思っていました。

きみやすさんが男3兄弟だっただなんてちょっと意外でした。姉妹がいらっしゃるとばかり・・・。
あ、そうか、お嬢さんがいらっしゃる?
次男坊は我が道を行くというタイプばかりではないのですね。

> 同じ作品を観ていて、同じ様に感じながらも根底の部分は(文字通り根っこの部分が)お互いの生まれや過ごしてきた人生によって
> どの人物に感情移入するか変わってくるのですね。  
> 自分は知らず知らずのうちに“実加”の視点が強かった(共感しやすかった)ことに気がつかされました。

本当に、これは致し方ないことかもしれませんねぇ~。
勿論、美加が主人公ですから、私も最初の内は美加の方に気持ちがいってました。
でも、父親が不倫騒動を起こした日に父親を刺そうとしたり、
何といっても哲也の誘いを蹴った時に、美加って生命力溢れる子だと確信しました。
実際、妹がそうなんですよ、両親や私が反対してもやっちゃうタイプ。
そんな妹の気質を姪っ子もしっかり受け継いでいます。

> 知らず知らずのうちに兄に我慢をさせているのかもしれませんね。
> それに気がつかせていただいただけでも
> ありがとうございます。

きみやすさんのお兄様が我慢されているのかどうかは分かりませんが、とかくそういう傾向があるようです。
知らないうちに、両親の期待にそうように頑張るというか・・・。
ええかっこしているというか。

>>このままだったら本当の自分を出せないと、早く親元から出ていこうとしていた若い頃を思い出しました。
> >どうして、妹は母や父に対して素直に怒ったり泣いたりできるのだろうと羨ましかった・・・。
> 本当に、これは何でしょうね。
> 親と子。早くその影響下の無い所へ行きたい。
> 自分が自分だけで扱われる所へ行きたい。
> (○○さんとこの娘さんでも、息子さんでもなく、一個人として扱われるようになりたい)
> いわゆる、親離れ、子離れの必要もあると思います。

大学卒業時、就職で故郷・鹿児島へ帰っていた時期があります。
家から通える距離だったのにもかかわらず、迷った末に独り住まいを強行しました。
その時は両親からかなり反撃されましたが、せっかく親から独立できた自由をまた奪われたくないという一心で踏ん張りました。

> ずっと、近くにいるのは・・・と思うのですが、それが苦にならない人もいるんですよね。

きっと、自分を変えないですむ素直な人なんだろうと思っています。
だいぶ少なくなりましたが、今でも両親の前で竦んでしまう自身を感じますもの。

>>自身が子育てする時にも、長男に目をかけることを忘れなかったのは、自身の体験からです。

といいながらも、本当の所、行き届いていたかどうかは・・・💦

> 最後の「だから、私はここにいます。」はとても好きなセリフです。
> 諦めでも無く、彼女の家族は離散に近い状態ではありますが
> 彼女はそこに留まることにより(無理をしている訳ではなく)
> 家族を、家を守っているようにも感じます。

そうですね。美加のように、肩ひじ張らずに『家』を守っていけたらどんなにか良いでしょうね。
憧れます。

「廃市」は昨日最後まで観終えました。
柳川を舞台に、やはり異なるタイプの姉と妹が織りなす物語でしたね。
掘割巡りや雛飾りのさげもん祭りで幾度か訪れている街並みを思い浮かべて観ていました。
こちらも良い作品を紹介してもらい嬉しかったです。ありがとうございました!

どこかで見かけたタイトル

と思ったら、miriさんのところでした。
未見ですが、とても雰囲気のありそうな作品ですよね。そういえばファンタジー映画で邦画はぜんぜん思い浮かばなかったことに気付きました(汗)

>親近感を持つほど、街並みの切取られたアングルは本当に似ていました。

身近な街並に似た雰囲気の風景がみられると、一気に親近感湧きますよね。楽しまれたようで良かったです。
今回もご参加ありがとうございました♪

しずくさん こんばんは!!

素晴らしい記事で何度も、首肯することしきりでした。

>「どこか遠くに行きたい」といつも願っていた千津子の心情が痛いほど伝わって来ました。

>私も7歳離れた妹がいますが、長女って妙に両親へ遠慮してわがままを言えないのです。

なるほど・・・
自分も「どこかへ行きたい」と思っていたのですが
次男坊だったので、出来の良い兄と元気な弟の間で(それなりに仲が良い方だと思うのですが)“どこか”に行きたいとは強く思っていました。



同じ作品を観ていて、同じ様に感じながらも根底の部分は(文字通り根っこの部分が)お互いの生まれや過ごしてきた人生によって
どの人物に感情移入するか変わってくるのですね。
 
自分は知らず知らずのうちに“実加”の視点が強かった(共感しやすかった)ことに気がつかされました。

・・・そして、知らず知らずのうちに兄に我慢をさせているのかもしれませんね。

それに気がつかせていただいただけでも
ありがとうございます。

>このままだったら本当の自分を出せないと、早く親元から出ていこうとしていた若い頃を思い出しました。

>どうして、妹は母や父に対して素直に怒ったり泣いたりできるのだろうと羨ましかった・・・。
>妹は現在実家の裏庭に家を建てて住んでいる)

本当に、これは何でしょうね。
親と子。早くその影響下の無い所へ行きたい。
自分が自分だけで扱われる所へ行きたい。
(○○さんとこの娘さんでも、息子さんでもなく、一個人として扱われるようになりたい)

いわゆる、親離れ、子離れの必要もあると思います。

ずっと、近くにいるのは・・・と思うのですが、それが苦にならない人もいるんですよね。

>自身が子育てする時にも、長男に目をかけることを忘れなかったのは、自身の体験からです。

・・・何というか、胸にくる言葉です。
そういうお母様を持たれて、息子さんも
世のお母様方の「お兄ちゃんでしょ!!(だから・・・)」
から解放されておられたのだと推測します。

・・・色々と自分の子育ても省みてしまいます。

最後の「だから、私はここにいます。」はとても好きなセリフです。
諦めでも無く、彼女の家族は離散に近い状態ではありますが
彼女はそこに留まることにより(無理をしている訳ではなく)
家族を、家を守っているようにも感じます。

色々と書き連ねてしまいましたが、非常に気がつかされることが
多い記事でした。
ありがとうございました。
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