ブログでロードショー「6才のボクが大人になるまで」

2016.04.26 12:17|映画

原題は「Boyhood」=少年時代


テキサスの田舎町で母と姉と暮らす6歳の少年メイソン。風来坊の父は離婚してアラスカに行ってしまい、キャリアアップのために大学で学ぶことにした母は子供たちを連れてヒューストンに転居。メイソンはそこで多感な思春期を過ごす。再会した父との交流、母の再婚と義父の暴力、そして初恋。12年の時は家族それぞれに様々な変化をもたらし、メイソンは自身の夢を見つけ、やがて親元から巣立ってゆく…。

★アカデミー助演女優賞(パトリシア・アークエット)、ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞。



友人が、子育て真っ最中の頃「親と子供は永遠に片想いのままで、それを延々と人は繰り返すんだとね」と嘆きました。妙に納得したのを久しぶりに思い出しました。ある年齢に到達しないと人には理解できない心情があります。振り返って、ああ両親はこんな気持ちだったのかと、両親と同じ年になってしみじみと理解できますが、悲しいことに、永遠にその隔たりは埋まらないのです。

一番心に残ったシーンは、メイソンJrが家から巣立つシーンでの母・オリヴィアとの会話でした。結構、オリヴィアは子供の気持ちを後回しにして自分の人生を切り開いていく人だなと、あきれながらも半ば感心して観ていたのですが、ついにオリヴィアも感情に流され激しく吐露していました。

「娘・サマンサとメイソンを大学へ送り出した後にあるのは自分の葬式だけだ」とテンパる母に、メイソンJrは「40年は先の話だ」と慰めます。もっと長いかと思っていた18年間はあっという間だった母親の気持ちは私にも良くわかりました。でも、息子には違う時が流れていた・・・。彼にはこれからの新しい生活が輝いて待っていました。やっと色んなしがらみを脱ぎ捨て自身の生活を始めることができる。かつて私も同じように親の元を巣立った日を鮮明に覚えています。息子たちもそうでした。永遠に続く隔たりはどうしようもない。

すべての瞬間に「大切」が宿ってる

ラストは大学生活をスタートして新しい友人とメイソンJrが話すシーンで締めくくられています。

「どうしてみんな”一瞬を逃すな”って言うの? 

私はなぜだか、それを逆に考えちゃう。私たちは一瞬を逃さないって」

「わかるよ。時間は途切れない。一瞬というのは常に今ある時間のことだ」

オリヴィアも一時的な感傷で取り乱しただけで、その後の生活を彼女なりに生きていると思います。


この映画は主要人物4人を同じ俳優が12年間演じたことでも注目を浴びました。大人の俳優さんたちパトリシア・アークエットやイーサン・ホークの変化はさほど感じませんでしたが、メイソンJrを演じたエラー・コルトレーンの成長は戸惑いわかりませんでした。日本とアメリカの教育課程の違いや異なる家庭環境、麻薬に関しても、映画などで既に知っていたつもりだったけれど驚かされます。

  

              ;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・


監督は『恋人までの距離』のリチャード・リンクレイター。現在、エラー・コルトレーンはモデル業もやっているそうだけど、次作を期待されます。
レビューでは面倒で割愛しましたがコメントに返信している内に追記することにしました。

イーサン・ホークが演じたお父さんに好感が持てました。最初の結婚で、彼は夫としては不適格者だったけれどお父さんの役割はきちんと果たしていたように感じました。自身が成長する前に子供ができたために、照れる息子や娘に真剣に避妊の大切さを力説するなど、実生活する上で必要な事を子供たちに伝授しようとしている姿勢が伝わって来ました。そしてまた再婚する際に「今の自分だったらお前たちの母さんにも嫌われなかった」と語っているのです。
メイソンJrだけでなく、母親オリヴィアや父親、姉などファミリー全体が成長していく物語だったと思います。




コメント

コメントをありがとうございました


> 良い言葉ですね。忙しいとつい忘れてしまうので、こういうのを思い出させてくれる作品は好きです。

確かに忘れがちですよね!
それをもろに言われるとクサくなるのを、さりげなく感じさせてくれるのが優れた作品なのでしょうけど。

> しかし、主要人物4人を同じ俳優が12年間演じたっていうのはすごいですね。演じた彼らにとって、もはやこの作品は人生の一部と言えるかも。

監督は『恋人までの距離』のリチャード・リンクレイター。現在、エラー・コルトレーンはモデル業もやっているそうだけど、次作を期待されます。
レビューでは割愛しましたが、イーサン・ホークが演じたお父さんに好感が持てました。彼は夫としては(結婚当時は)不適格者だったけれどお父さんの役割はきちんと果たしていました。自身が成長する前に子供ができたために、息子や娘に真剣に避妊の大切さを力説したり。実生活する上で必要なことを子供たちに伝授しようとしている姿勢が伝わって来ました。そして再婚する頃、今の自分だったらお前たちの母さんにも嫌われなかったと語っているのです。
メイソンJrだけでなく、母親オリヴィアや父親、姉などファミリー全体が成長していく物語だったと思います。

おはようございます

>すべての瞬間に「大切」が宿ってる

良い言葉ですね。忙しいとつい忘れてしまうので、こういうのを思い出させてくれる作品は好きです。

しかし、主要人物4人を同じ俳優が12年間演じたっていうのはすごいですね。演じた彼らにとって、もはやこの作品は人生の一部と言えるかも。
内容も考えさせられそうだし、いつかじっくり観てみたいです。
今回もご参加ありがとうございました♪
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