異人たちの棲む館

2015.06.18 14:53|


異人たちの棲む館
原題
MAGNIFICA PRESENZA/A MAGNIFICENT HAUNTING
別題
素晴らしき存在
製作年度
2012年イタリア


役者を夢見る主人公、いわくつきそうなバルコニー付き館、それだけでもぞくぞくするのに、彼にしか見えない上品でノスタルジックな扮装をしたわけあり幽霊さん達8人が住んでいるという設定。更には主人公はゲイかも、私好みの要素が揃っていました!
イタリア映画の素晴らしさを充分に満喫しました。
ピエトロにしか幽霊さん達の姿が見えないのはごくごく自然なことに思えます。彼らから演技指導をしてもらいオーデションに臨むのですが、そうはうまくいきません。
幽霊さんたちはアポロニオという劇団員で、1943年にパルチザン活動が発覚してファシスト政権に殺されてしまっていた・・・。彼らは自分たちが死んでいることに気づいていなかったのだが、今が2010年だと知り、劇団員の女優が死んだと思っていたわが子が、(検索してもらった)パソコン画面に、戦禍を生き延び70歳を超え家業の薬局を継ぎ孫まで居たというシーンに胸が熱くなり、戦後と言ってもわずか1世代しか経っていないのだという事実に、今更ながら気づかされ「戦後は終わらずまだまだ続行中」と思わずにいられません。
幽霊たちから探してほしいと頼まれた当時の看板女優を演じたアンナ・プロクレメルはどことなく清川虹子を思わせる風貌(笑い)。
彼女は密告した張本人ですが裏切り者の苦しみを背負った人生を歩んでいました。それを知った幽霊たちは一瞬驚きますがすぐに笑い出し、彼らの優しさに触れた気がしました。まさに別題となった”素晴らしい存在”の何物でもありません。
ラスト幽霊さんたちは解き放たれ、館から出て劇場に出向き上演できなかった芝居を演じ、ピエトロは客席で唯一の観客となります。エンドロールの最後の最後までアップになったピエトロの表情に釘づけになりました。目の動きや表情のみであれだけ惹きつけるのですからさすがです。彼を演じたエリオ・ジェルマーノは本作でイタリア・ゴールデングローブ賞・最優秀男優賞を獲得、他にも色んな賞を獲得しているんですね。
明るく前向きだが、性的アイデンティティーにうまく馴染めない孤独な若者ピエトロと8人の異人たちとの爽やかなファンタジー。
こんな愉快な異人たちだったら是非出会いたいものです。
オズペテク監督の別な作品に期待できます。
いとこのキャラクターがイマイチ伝わってこなかったのが残念といえば残念でした。

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