「ブログdeロードショー」 ミレニアム2 「火と戯れる女」完全版

2015.10.27 12:30|

2010年 スウェーデン/デンマーク/ドイツ

リスベットが命がけでぬれ衣を晴らし、また父親への復讐劇なのに、「火と戯れる」の言い回しがあまりに悠長ではないか。鑑賞後溜飲が下がらないので調べてみた。英語の慣用表現でplaying with fire は危険なことに手を出すという意味らしいが、戯れるとは何て繊細さに欠けた副題を付けたものだろう。戯れるとは遊び興じる。何かを相手にして、おもしろがって遊ぶ。ふざける。また、冗談を言う。みだらなことをする。また、男女がいちゃつくということだ。これじゃあリスベットに対するリスペクトなさ過ぎ!
一作目の「ドラゴンタトゥーの女」を観たのは昨年。リスベットに魅せられながらもレイプシーンを観るのが耐えられずに2,3作目を観る勇気がなかった。でも、今回の「ブログdeロードショー」の兼題がミステリー。これを機会に観るしかないと決断しました。
小柄な身体にタトゥーを入れ鼻ピアス、服装も暗めに武装したリスベット。彼女は孤高で誰にも媚びず、人を容易に寄せ付けずにバイセクシュアル、特殊能力を持つ天才ハッカー。でも、桁外れに社会性に乏しいわけでもなく信じられる相手には心を開ける。一作目のラストはミカエルに芽生えた恋心を封印するかのように、黙って姿を消すいじらしい面も伺われた。
二作目では窮地に立っても独りで解決しようとする気概はなかなかなもの。でも、彼女がそうなってもおかしくないと云えるほどの忌まわしい過去は不憫だ。
リスベットの父はソ連時代のKGB元工作員、母は元娼婦という複雑な出自を持つ。幼少時は悲惨な環境の下で暮らし、母が父の家庭内暴力で心身ともに重傷を負ったことをきっかけに、父への殺害を行ったことで精神病院に隔離されている。
「ザラ」という謎の男、その手下である無痛症特異体質の“金髪の巨人”がリスベットと深い関わり合いがあると、ラストで解き明かされる。
リスベットにこれ以上の重荷を背負わせないでと、作者を恨みたくなるほどだった。リスベットは敢然と立ち向かう!
警察公安に存在した特殊機関の恐るべき陰謀などストーリ展開が入り交じり、3時間ぐいぐい最後まで息をつかせない。
北欧社会は福祉国家でもあり女性の社会進出も高いと思っていたが、未だ女性蔑視や暴力が残っていると、映像で知り背筋が凍りついてくる。
また本作ではセックスを伴う人間関係が淡々として描かれている。嫌悪感を抱くというより、3度の食事をするように受け止められるから不思議だ。
確かにミカエルは女性からみて魅力的な男であるが~。彼は雑誌『ミレニアム』社の共同経営者であるエリカと絶妙な不倫関係を保っている。芸術家であるエリカの夫はエリカとミカエルの関係を容認しているのだ。果たしてセックスは同士のような間柄でも成立し得るものなのか。またミミとリスベットの同性愛も友情めいたものが存在し不潔さは感じられない。
それだけにリスベットがミカエルに抱く恋心が初々しく見える。
たぶん、事件の背後にあるお金でセックスを売り買いする売春組織との対比を狙ったものだろう。セックス間にそれなりの愛情と尊敬があればOKということだろうか?
登場人物が多く手元にメモ用紙は必須。全貌はつかめるが、時々後回しして顔と名前を確認しないと詳しいところまで理解できない。とても暗がりの映画館では無理だったかもしれない。
完結の第3部『眠れる女と狂卓の騎士』を近々観るつもりです。
またもや摩訶不思議な言葉の副タイトル、「狂卓」とは何ぞや!?






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