モリエール 恋こそ喜劇

2014.03.18 17:04|
 
 

 
◆2007年フランス 監督:ローラン・ティラール
1644年のパリ、売れない俳優ジャン=バチスト・ボクラン(モリエール)が恋人マドレーヌらと旗揚げした劇団「盛名座」は、破産の危機に瀕していた。モリエールは借金の肩代わりと引き換えに、金持ちの商人ジュルダンの演劇指南役を務めることになるが……。17世紀フランスで活躍した、喜劇作家モリエールの生涯で、空白となっている数カ月間を描くフィクション。
 
いやあ、エスプリたっぷりの本作にフランス映画の厚さを見せつけられました。
怪演のジュルダン役(ファブリス・ルキーニ)に同格で渡り合っていたモリエールのロマン・デュリスはまるでジョニー・ディップを見ているよう。特に馬の模写をするシーンで3種類の馬を演じ分けていたのは見ごたえがありました!
ジュルダンがモリエールに妻・エルミールを紹介した折、美貌の侯爵夫人セリメーヌに恋し妻を軽んじているのに、「胸が丸見えだぞ。隠せ」とたしなめるのが彼らしいひとコマの始まりでした。金持ちだがそれを鼻にかけている風もなく、寧ろ人が良過ぎるぐらいで、セリメーヌの前では恋する思春期の少年のような立ち居振る舞い。吹き出したくなるような大袈裟な所作は、最後まで人間味あふれていて憎めませんでした。
エルミールは不倫仲のモリエールと、娘の幸せな結婚を願って別れることになりますが、それで良かったのですよ!。だってモリエールは、事の次第をマドレーヌに手紙に綴って両天秤にかけていたようでもあったし・・・。(調べたところモリエールは実際にマドレーヌの妹か娘に当たる女性と結婚しています)。
ドラント伯爵が息子に先祖の中に商人が居ることを認めたくなくて必死に否定するシーンも印象深かった。息子が商売をしたいというのを一蹴して「わが一族が働くなどど、そんな恥さらしな!」というのには驚きました。貴族階級にとって労働は蔑まれる行為だったのだと改めて思わされます。
この頃のフランスでは第1身分=カトリック聖職者、第2身分=貴族、第3身分=その他のフランス国民という身分制度が確立していたらしい。
だからこそジュルダンはドラント伯爵の息子と無理やり結婚させて貴族階級にのし上がろうとした分けだろうし、片やドラント伯爵にとっては金のない商人には目もくれなかったはず。第3身分のジュルダンが金にまかせて第2身分の侯爵夫人セリメーヌに言い寄るのは道化な振る舞いだったはず。両者がお互いの利益に繋がったのなら大人のカンケイでの契約成立だったのかもしれませんが・・・。
不幸な出来事には喜劇の側面があるのは真実でした。
彼ら2人の素晴らしい共演に今一度会いたくてPARISを観たい!
 

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