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小説 横道世之介

2014.02.03 17:58|

 
今まで吉田修一が追求して書いてきた主人公とタイプがまるっきり違っていて、彼の新境地を見る思いでした。
主人公・世之介の元恋人だった祥子は40歳になり、世之介を「いろんなことに、『YES』って言ってるような人」「いっぱい失敗するんだけど、それでも『NO』じゃなくて、『YES』って言ってるような人」と評しています。世之介は一見ふら付いていてどこにでもいるような気の良い若者なのだが、困っている人を積極的に助けようと馳せ参じる分けでもなく結果的にはほおって置けずに助けちまったとなるような人でした。そういえば「世之介を知らない人はもったいない」に近いことを言った友人も居ましたねぇ~。そう、是非会ってみたい世之介、もしかすると周囲に居そうなどこかで会っているかもしれないと思いたくなるような世之介なのです!
カメラマンとなった世之介が、いずれ韓国人と2人で線路に転落した女性を助けようとして亡くなるとほのめかされている件が、何箇所か出てくるたびに、えっそんな結末は止してと願ったのですが、祥子に宛てた世之介の母の手紙を読んですとんと落ちるものがありました。
「世之介は充分間に合うと思ったから助けたのでしょう。そんな息子を誇らしく思います」と、さりげなく結ばれた手紙にうるうる来ました。自らの危険を顧みないで人を助ける現実に存在する人たちはきっとこんな感じなのでしょう。切ないラストはカモフラージュされていて人を信じれる温かさと世之介が残した爽やかさが伝わって来ます。
祥子は深窓のご令嬢育ちというユニークな背景。何故か途中で世之介と別れる設定になっていますが、彼女が子育て中の友人に会って助言した言葉が確かな人柄を表していると感じられました。「大切に育てるということは『大切なもの』を与えてやるのではなく、その『大切なもの』を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやることなのではないかと思う」。そうだよねぇ~。
2人が長崎の海岸で遭遇する難民の事件は実際にあったことです。
デビュー当時のカタカナタイトルの「パレード」「パーク・ライフ」から読み続け、最近では「長崎乱楽坂」「悪人」「さよなら渓谷」などずっとずっと好きになってきています。
吉田さん、長崎出身の清しい世之介を送り出してくれてありがとう!
映画化されていてDVDも出ている・・・。すぐ観るのかそれともしばらくは浸ってからにするのか躊躇っています。
 

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