小説「友罪」

2014.01.20 17:15|

 
―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?―
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。事務員の美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる・・・・・
 
飢餓海峡を観て“罪と罰”が未だ頭の中で渦を巻いているところへ、随分前に図書館へ予約していた本書が届いた。友罪とは友が犯した罪という意味のタイトルだろうと想像しながら読み始める
ミステリー的な仕掛けを望む人には不向きだろうが、犯罪事件の真実を暴かずに、凶悪少年犯罪を犯した犯人の「その後」を描いてあるのが私にはあっていた。過去にそれぞれの事情を抱えている若者と、飲酒運転で息子が交通事故を起こし幼子を3人死なせてしまったことで悩む父親など、それぞれの罪を背負った登場人物たちが個々の立場で、主人公益田に気持ちを添わせながら物語は進んでいった。
ラストやっと主人公の益田純一がS君へ宛てた手記で救われた気がした。
人は罪を犯していようがいまいが今生きている場所から逃げられない・・・。逃げても安住できるのはつかの間で人の目は避けられず、例え隠し通せても自らの良心の疼きに苛まれるだろう。だったらその場に踏みとどまり対峙して闘うしかないのだろう。元AVビデオに出演していた美代子は新しい人生をやり直すたびに、元恋人の男によりビデオをばら撒かれ新しい居場所を追われていった。解雇されそうになり体よく次の職場を提示されたが、彼女は毅然として職場を変えず、好奇の目や中傷に耐える方を選んだ。何回か失敗して彼女がたどりついた結論だった。
でも、鈴木(S君)の罪はあまりに重すぎて、彼は素性を隠しながら生きて罪を償うしかない・・・。 

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