黒い十人の女

2015.10.12 17:15|

 



(↑宵乃さんの描かれたイラストは本作を巧くとらえ、現代風にアレンジされていてイイネ)

1961年作

60年代の日本でシュールかつスタイリッシュな映画を撮っていたとは。でも先ほど観た1956年にイギリス映画「The Lady Killers」などもあるから、脚本を書き下ろした和田夏十も充分に影響を受けているのではないだろうか。コメディとサスペンスという相容れない素材を、「ブラックユーモア」というテイストで料理してあるのは同様に感じられた。
検索してみると、実際に私生活で監督がある女優と不倫騒動を起こしているらしいから、妻でもある和田夏十の入れ込みはかなりあったかも(笑)。
「誰にでも優しいということは、誰にも優しくないってことよ」の名言は当時評判になったらしいが、誰にでも優しい男は誰にでも優しいのだから、自分だけ優しくされているわけじゃないとどうして気づかないのだろうか。それはそれで泳がせとけば可愛いというもの。冷たいDV男よりはずっとましと云えるようになったのは年の功?
この時代モテる男は主人公の風松吉のような男だったのだろうか。二枚目で腰が軽く一見「いい人」風な愛と愛嬌を平等にふりまくタイプ。果たして現代の女たちはどんな反応を示すのだろう。いつしか桐野夏生の『OUT』と比較しながら観ていた。
愛嬌を振りまく男に対する復讐は『籠の鳥』」!
何てアバンギャルドなお仕置きだろう。しかも他の女たちもお金を出し合って2人の生活の面倒をみるというのだから。市子を演ずる岸恵子が交通事故の現場とすれ違う場面をもラストに加えるのも忘れない。
色んなジャンルでたくさんの作品を残している市川崑監督だが、ほとんど観てこなかった。好みではないけれど、本作は苦手なうちでも好きな方に入る。


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