2018.01.24 14:12|


天平9(737)年に起こり、平城京の人口の半数近くが失われた“パンデミック(感染症の大流行)。奈良時代に起こった天然痘の大流行と、それに立ち向かう人々について書かれた物語。

施薬院では、ひどい高熱が数日続いたあと、突如熱が下がるという不思議な病が次々と発生。医師である綱手は首をかしげるが、施薬院から早く逃げ出したい名代は気にも留めない。だが、それこそが都を阿鼻叫喚の事態へと陥らせた、“疫神”豌豆瘡(天然痘)の前兆だったのだ。病の蔓延を食い止めようとする医師たちと、偽りの神を祀り上げて混乱に乗じる者たち――。疫病の流行、政治・医療不信、偽神による詐欺…



好きな作家さんです。2年前ぐらいに同著者による『孤鷹の天』で傾倒し、『泣くな道真 -大宰府の詩』『関越えの夜 東海道浮世がたり』『若冲』などを読んでいます。

「火定」とは、僧が自ら火に体を投げ入れて死ぬことを言うらしい。

本作はだめでした。重たすぎる。もともと医療物が好きではないからなのか、医術は何たるものかを解かれても嘘っぽくきこえました。闘病してきた私があれこれいうのは不遜かもしれません。信頼できるドクターに出会えていないと思うのは、私の感謝心が足りないからかもしれません。

これまで通り医療物は読まないことにします

2018.01.17 14:30|


(昨年の11月22日にアップした記事に追記)


門井慶喜さん、直木賞受賞、おめでとうございます!

気に入った本が受賞できて心から嬉しいです。

この本を図書館に返却した折に司書さんにもおススメしてました。そして次に会った時に「良い本を紹介してもらってありがとうございました」とお礼も頂いていたのでした。


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2018.01.14 12:02|

2016年10月に逝去した登山家・田部井淳子。男女差別が色濃い時代、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した彼女は、どのように生き、どのように山に魅入られたのか―その物語を完全小説化。山を愛し、家族を思い、人生を慈しんだ淳子が、その“てっぺん”に至るまでの、辛く苦しくも、喜びと輝きに満ちた日々。すべての女性の背中を優しく押してくれる


読み初めに相応しい1冊でした!

フィクションだけど、田部井さんのてっぺんっていったいどの山なんだろう?とページを開きました。

それは固有の山ではありませんでした。夫さんが「淳子のてっぺんは家族が待っている場所。だから必ず生きて帰って来い!」と、初海外遠征登山アンナプルナに行く時に、声をかけた言葉。今から40年も前の時代に山家同士の結婚とは云え、夫さんが凄いんです。仕事でもない山行のために、1年近く家事や育児をも請け負うのですから(彼は海外初遠征時に凍傷し足の指を四指切断している)。

何と言っても、女性だけで初めて挑んだアンナプルナⅢ峰登山の記録が、きれいごとの成功譚じゃなく女同士の葛藤をも書き切ってあるのに好感を持ちました。グループメンバーは準備段階からもめ、登り始めてからもいがみ合う。アンナプルナでは、頂上へのアタックメンバーに選ばれなかった女性登山家の感情が爆発する。<こんな侮辱は初めてよ><東京に帰ったら山岳会や協会に訴えてやる!>とかの言葉が真実味を帯びています。こういう事例は女子特有だからではなく、男性の登山隊でも聞きます。本の中でも夫さんが落胆した淳子さんを励ましています。

そういうことを通して、いつも私が感じていた事と同じ結論に達されているのが嬉しかった。

「登山に何が必要か

体力と技術だけではない。自己マネージメント力、他者への協力精神、そしてユーモア。特殊な環境に身を置く中でいかに自分の心と身体をコントロールできるか」

登山だけではなくすべてに通じることでしょう!

山で培った自己マネージメント力を更に磨きたい私です。


2018.01.10 09:46|映画


2017年アメリカ

監督 ケネス・ブラナー

トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、富豪ラチェットが刺殺された。教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。そして、この列車に乗り合わせていた世界一の探偵エルキュール・ポアロは、列車内という動く密室で起こった事件の解決に挑む。主人公の名探偵ポアロ役をブラナー、事件の被害者ラチェット役をデップ、未亡人役をファイファーが演じるほか、教授役にウィレム・デフォー、家庭教師役にデイジー・リドリー、公爵夫人役にジュディ・デンチ、宣教師役にペネロペ・クルスが配されている。


何故かアガサの小説は読んだことがない。アガサが11日間失踪した事件を知り興味は抱いていたけれど、1冊も読んでいないのは巡り会う機会がなかっただけのことだろう。

今回は監督がケネス・ブラナーだったので最後のチャンスとばかり、終映ぎりぎりの上映に間に合って本当に良かった。テレビでおなじみの熊倉一雄の声でエデヴィッド・スーシェ演じるルキュール・ポアロが印象深いので、ケネス・ブラナーのポアロには最初違和感がかなりありました。(TVは家事をしながら観していて最後まで観終えたことがなかった)

オリエント急行に乗りあわせてからの車窓に広がる雄大な雪山の風景、列車の疾走感に引っ張られた。

豪華な出演者が次々と現れ、彼らの中に共通する人物名が明かされ、さてどんな風にこの事件を解決するのか。白黒をはっきりつけねばならないポワロが最終的に出した結論。

あっという間の2時間15分でした。

何の知識もなく観たおかげで充分に楽しめました。

アガサ・クリスティがミステリーの女王と呼ばれる所以が今更ながら分かりました。

いやぁ、アガサって凄いっす!(映画批評はそっちのけでアガサの原作に心打たれました)

2018.01.07 11:17|映画

マダム


2016年イギリス

監督スティーヴン・フリアーズ


以前から観なくてはと思っていた本作は、好きな作品が多い監督さんに取られていたと後から知りました。(年末に観ました)

ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルにした作品です。絶望的な音痴であるにもかかわらずソプラノ歌手になる夢を追う彼女と、それをかなえようと奮闘する夫の姿を描いてあります。

1年前に同人物をモデルとしたフランス作の『偉大なるマルグリット』を観て、漠とした結末に不満だったのですが、どちらも鑑賞して『偉大なるマルグリット』の方が好みかもしれないと!?

でも、わかりやすさではマダム・フローレンスに軍配が上がるでしょうか。夫に相手にされない寂しさから歌にのめりこんでいく設定より、前夫から梅毒をうつされ生命の危機を抱えながらも歌うことに夢を持ち続けていく姿の方がすっきりします。

ド音痴な彼女が何故評判となり受けたのかの説明も解せます。

背景は第二次世界大戦中の1944年前後で暗い時代でした。カーネギーホールのリサイタルは戦争で戦う兵士たちを招待して開かれています。彼女が歌い始めると、軍人らから衣着せぬヤジが飛びますが、フローレンスの破天荒な歌声と歌いっぷりに笑い転げます。せめて劇場の中だけでも血なまぐさい戦争を忘れたいの思いは、同監督の『ヘンダーソン夫人の贈り物』に通ずると思いました。

2番目の夫が、真実の辛辣な批評を載せた新聞を、フローレンスの目に触れさせまいと、何百部も買い取るのは莫大な資産も感じさせますが、財産狙いで結婚した彼の目覚めた愛情と呼んでもかまわないでしょう。

自分が音痴と知り歌を止めたのは真実のようです。

それでも歌い続ける肝の据わった歌姫を演じてほしかったのは無理な話でしょうか?

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