ブログdeロードショー「真冬のファンタジー企画」第2弾 ATOM(アトム)吹き替え版
原題 Astro Boy
製作年 2009年
製作国 香港 アメリカ
夢のような空中都市、メトロシティ。天才科学者テンマ博士は事故で命を落とした愛息、トビーの身代わりにと最新型ロボットを作る。姿はそっくりで記憶もトビーのまま。仲間のお茶の水博士が開発した<ブルーコア>という究極の未来型エネルギーをアトムの体内に搭載した。でも結局はロボット、息子の代わりにはならないとテンマ博士は彼を追い出してしまう・・・。
居場所を求めやってきた地上で、ロボットの出自を隠そうとするが自らを「アトム」と名乗った。新しい仲間もでき、父と別れた寂しさを抱えながらもたくましくなっていく。そんな頃、メトロシティのストーン大統領は<ブルーコア>の軍事利用を目論み、アトムの捜索を始める。捕らえられテンマ博士と再会するアトム。メトロシティと地上を巻き込んだ壮絶な戦いが始まる。
昨年の12月号『新潮』に手塚氏が描いていた未発表のイラスト29点が初公開され、手塚氏への興味が刺激された。イラストにはネズミのような耳を持つ人間の女性がベッドで体を捩らせるカットのほか、裸の女性がコイに変身するイラストなどエロスが喚起される作品が並ぶ。彼といえば、文部省推薦のような健全な作品がポピュラーだが、実は学生時代から大人向けと子供向けの両方を使い分けていた。メルモやリボンの騎士など、あの時代にはかなり衝撃的な物を描いているのだ。
新年の新聞は私が読んだ3紙ともAIを取り上げた記事が圧倒的に多かった。
ロボット社会がもうそこまで来ているのだと感じずにはいられなかった。
以上が「アトム」を選んだ理由です。
アトムは妹が好きだったテレビ番組。私は仕方なく横で観ていたため、アトムと御茶の水博士が出ていた事や、ウランちゃんが歩く時にきゅっきゅっと床に響く音しか覚えていない。どんな敵と戦ったのか、詳しいストーリーはほとんど記憶に残っていない。
アトムってあんなに大人びていたっけ、もっと幼かったのではと自らの記憶を疑いつつ、結構引き込まれて観た。
観終わって検索したところ、やはり手塚治虫氏の原作『鉄腕アトム』よりも年齢を12、3歳に引き上げているようだ。
ロボットに対する差別などのエピソードの中に親子愛も深く描かれていた。最愛の息子を失ったテンマ博士の悲しみや過ち、アトムのロボットとしての切なさなどが含まれていて見応えがあった。親子間の葛藤や愛情を軸に、権力を握る悪との戦いもあり放棄されたロボットや子供たちとの間に芽生えた友情も本作を盛り立てている。