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春のファミリー企画2弾 『ドリーム』

2018.05.07 14:48|映画
著者 :
20th Century Fox
発売日 :
昨日から雨が降っている。キャサリンが雨に濡れ黒人専用のトイレまで走っていくシーンが甦り切なくなった。ひたすら書類を抱えて行き来する場面が数回淡々と描かれる。上司のハリソンに「どこへ行ってた?」と詰問され、堰を切ったように思いをぶちまけるキャサリン。持ち場が変わってすぐ抗議せずに、遠いトイレを使い続けた後に出た言葉がずしんと響く。同僚たちはポットまで区別して酷い対応を取り続ける一方で、上司であるハリソンは彼女の才能を認め、カラードと表示されたトイレの標識を叩き壊す。また禁止された会議にキャサリンを同席させるなど画期的な計らいをする。(※下記に書き直しました)
真にデキル人間は、常識にとらわれず率直にその人自身を観察し才能なりを認められるのだろう(かねてから熱望する私の願い)。ちょっとだけできる人間こそが、常識や規則で差別し嫉妬をも持つのかもしれないと気づかされた。自らも含め凡庸な人間はみだりに競争して自分の居場所を探しているのかと思うと悲しくなった。
宇宙船へ乗り込む間際まで、飛行士のグレンがコンピューターの計算に不安を感じ、キャサリンの検算を求めるシーンはユーモラスでもあり実感だったのだろうと想像できた。まだIBMが導入されて間もない時代、コンピューターを信用するところまでいかなかった。人智が踏みとどまっていた良き時代だったのかもしれない。
観終えてファミリー映画として鑑賞に値すると思った。キャサリンやドロシ―、メアリーの友情も良いが、それぞれの生家や結婚してからの新しい家族や子供たちとの生活を描いてあった。特にキャサリンが(夫は亡くなっている)恋人に実母と3人の子供たちの前でプロポーズされる場面は素敵。ドロシーが黒人は出入りできない図書館の学術書をちゃっかり持ち帰る場面は息子らにたくましく生きていけよとばかりのゴッドマザーぶり。偉大な功績を遺す人の傍らには必ず理解し応援する人らが存在する。3人の娘を進学させるために骨を折り続ける両親、仕事に就いてからも娘の子供たちの面倒を看、家事を引き受けた。幾日深夜勤務や家に帰れない日々を支え続けたのだろうか。
ただ危惧が残った。3人の黒人女のサクセスストーリーを2時間あまりという短い時間に描くには無理がある。背景に黒人差別がありながらテンポ良くサクサクと進み大団円で終わってしまった感じが拭えない。重たく撮ってないのは歓迎できるが、軽く受け止められてしまうのではないかと懸念するのは私だけ?
※ハリソンがトイレの表示を壊したのは黒人差別云々ではなく、キャサリンが用をたすために往復する時間がもったいなく仕事に専念してほしかったため。自らの出世のためにキャサリンの才能を利用しただけだったのだと、今更ながら思い直しました。ハリソン奴! 今頃になって分かる私もどうしようもない・・・。気をつけなければ、集中力がかなり低下しています。

コメント

Re: No title

関東方面は寒そうですね。当地もそれなりに寒くていつになったら暖かくなるんだろうっていう天候です。

> なんと言うか、ハリウッド、ヒットの方程式通りに作った感がアリアリで(時事性も含めて)、只、面白かったで終わってしまいました。
> ソツなし、クセなし、個性なしって感じです。

そう、そう、全く同感です。観たすぐにはその気持満載で書き始めたのですけど、ホームドラマのジャンルの視点でとらえたら良さが見えてきました。文部省推薦作品みたいに(笑)。ネットに悪評が見当たらず自分の感性が鈍くなってきているのかなと思ったり。
鉦鼓亭さんからコメントをもらって良かったです。

> 「シェイプ・オブ・ウォーター」で清掃員だった人が、こっちでは統括責任者。(笑〜僕は順番逆でしたが)

清掃員役の方がばっちりはまっていたのであれれ!となりました。

久々にケビン・コスナーと会え、老け顔を鑑識していたらミスってしまいました。

No title

 しずくさん、おはようございます

面白いし、良い映画だと思ってはいるのですが。(汗)
なんと言うか、ハリウッド、ヒットの方程式通りに作った感がアリアリで(時事性も含めて)、只、面白かったで終わってしまいました。
ソツなし、クセなし、個性なしって感じです。
以前観たイーストウッドの「ハドソン川の奇跡」でも似た感じを持って、最近のハリウッドメジャー作品に食傷してるんだなと思ってます。

「シェイプ・オブ・ウォーター」で清掃員だった人が、こっちでは統括責任者。(笑〜僕は順番逆でしたが)
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