あなたの名前を呼べたなら
2020.10.17 14:03|DVD|
一見、恋愛映画風ではあるが女性の自立と解放も描いたのだろうと感じたのは間違ってはいなかったようだ。今まで「旦那様」としか呼べなかったラトナが、ラストに初めて電話口で”アシュヴィン”と名前を呼んで幕切れとなる。映画を観た後で、脚本、監督を担当したロヘナ・ゲラさんが「インドの階級問題を、恋愛物語を通して探求できないかと考えて製作した」と、語っているのを知った。
昔から夢だったファッション・デザイナーとしての道が開けそうになり、道筋をつけてくれたアシュヴィン。ラトナにとっては、身分差を越えたプロポーズよりもはるかに有り難かったのでは。憲法で否定されても未だに残るインドのカースト制度、そこを越えて結婚したとしてもいつかは破局が訪れるのは目に見えている。身分違いの結婚をテーマにした物は多い。若い頃は反発したが、年齢を経て身分違いとは環境の違いだろうと考えるようになっている。違った環境で生まれ育つと、経済観念やモノの考え方に隔たりが出て当然だろう。
農村で生まれたラトナは、ムンバイで建設会社の御曹司アシュヴィンの家で住み込みのメイドとして働いている。未亡人でもあるラトナが、アシュヴィンより終始大人だったように思えた。アシュヴィンはニューヨークで物書きらしき仕事をしていたが、兄が死んだために両親に後継者として呼び戻され、(たぶん政略結婚だろう)挙式直前に婚約者の浮気で破談になり傷心の日々を送っている青年。アメリカで暮らしたために遥かに自由で先進的だが所詮インドでは通用しないだろう。裕福で育ちの良い息子がどこまで踏ん張れるのだろうかと心配した。しかし、最後に、自ら再び渡米する決心をし、ラトナのデザイナーへの夢を紡ぐ橋渡しをしたのは、最良の方策だったと思う。
ラトナの衣装、組み合わせの色合いがマッチしていて素敵でした。果実のライムから作るお手製ジュースは美味しそう。でも、自分の身の回りを人に頼むお偉い階級の暮らし方ってどういうつもり!?
農村で生まれたラトナは、ムンバイで建設会社の御曹司アシュヴィンの家で住み込みのメイドとして働いている。未亡人でもあるラトナが、アシュヴィンより終始大人だったように思えた。アシュヴィンはニューヨークで物書きらしき仕事をしていたが、兄が死んだために両親に後継者として呼び戻され、(たぶん政略結婚だろう)挙式直前に婚約者の浮気で破談になり傷心の日々を送っている青年。アメリカで暮らしたために遥かに自由で先進的だが所詮インドでは通用しないだろう。裕福で育ちの良い息子がどこまで踏ん張れるのだろうかと心配した。しかし、最後に、自ら再び渡米する決心をし、ラトナのデザイナーへの夢を紡ぐ橋渡しをしたのは、最良の方策だったと思う。
ラトナの衣装、組み合わせの色合いがマッチしていて素敵でした。果実のライムから作るお手製ジュースは美味しそう。でも、自分の身の回りを人に頼むお偉い階級の暮らし方ってどういうつもり!?